これまで理学研究院内措置組織であった原子核反応データ研究開発センターが廃止され,同研究院の附属研究施設として原子核反応データベース研究開発センターが今年の5月1日に設置されました。これを記念し,11月10日(木)に開所式を,11月10日(木)〜12日(土)に開所記念ワークショップを開催しました。
開所式には,海外(インド,カザフスタン,韓国)からの4名を含む,20余名が参加しました。式は山下正兼理学研究院長と合川正幸センター長の挨拶で始まり,その後,インドバーバー原子力研究所,韓国原子力研究所,日本原子力研究開発機構の各代表と,共同研究「RIBF核反応データの高度利用研究」を実施している理化学研究所の代表から祝辞をいただきました。
原子核反応データは,原子核物理学や宇宙物理学などの基礎研究のほか,放射線治療などの応用に欠かせません。原子核反応の平和利用を目的とした実験核反応データのデータベース化は,国際原子力機関(IAEA)が主導する国際核反応データセンターネットワークで行われています。当センターはその一員として,他の13センターと連携しつつ,データベースの開発・研究を行っています。さらに,近年,原子核反応データに関する進展が著しいアジア地域において,当センターが蓄積してきた経験を活かし,連携を進めることもまた重要な課題となっています。
このような目的・課題のもと,日本学術振興会 アジア・アフリカ学術基盤形成事業「アジア地域における原子核反応データ研究開発の学術基盤形成」の一環として,開所記念ワークショップを開催しました。このなかで,国内外の核データ研究者が,それぞれの国での取り組みを始めとして,所属機関での活動について報告を行いました。そして核データの重要性を再確認するとともに,今後,アジア地域での連携をさらに発展させていくことを確認しました。
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参加者の集合写真 |
(理学院・理学研究院・理学部)
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