5月10日(木)は,明治9(1876)年ライマンらによって日本で初めて広域的な地質図,200万分の1「日本蝦夷地質要略之図」が作成されたことを記念し「地質の日」に制定されています。総合博物館では「地質の日」関連行事として4月24日(火)から5月27日(日)まで,企画展示「私たちの生活を支える金属鉱床−札幌周辺の鉱山を例に−」を,総合博物館1階「知の統合コーナー」で開催しました。
札幌西部山地は手稲金鉱山や日本最大級の鉛・亜鉛鉱山である豊羽鉱山があるように,マグマ活動に由来するさまざまな金属鉱床に恵まれています。本展示では,現代社会を支えている金属鉱床のでき方や採掘・製錬の様子,また希少金属など資源問題を市民の皆さんに知っていただくことを目的に,「北海道における地質・鉱産物調査の始まり」,「札幌西部山地の金属鉱床」,「豊羽鉱山の生い立ち」,「鉱山の探鉱から採鉱・製錬まで」,「鉱山開発と環境−酸性坑廃水の流出とその処理」,「レアアースを確保せよ!」をテーマとして,パネルによる説明や手稲鉱山や豊羽鉱山の各種鉱石サンプルや採掘道具を展示しました。
関連行事として,4月30日(月・祝)に地質巡検が行われ,43名の市民が豊羽鉱山の坑内廃水処理施設や坑内外の鉱脈露頭を見学しました。また,5月12日(土)には,渡辺 寧氏(独立行政法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター)による土曜市民セミナー「私たちの生活を支える金属資源:マグマからの贈り物」が開催され,約80名の市民が参加しました。