訃報

名誉教授 青田 昌秋 (あおた まさあき) 氏 (享年74歳)

青田 昌秋 氏  名誉教授 青田昌秋氏は,平成24年10月27日に逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
 同氏は,昭和38年3月北海道大学理学部地球物理学科を卒業,同40年3月同学部物理学科卒業後,同年4月北海道大学低温科学研究所助手に採用され,同42年4月に同研究所附属流氷研究施設助手に配置換,その後,同50年1月同講師,同年7月同助教授に昇任し,同58年4月同教授に任ぜられると,同研究所附属流氷研究施設長に併任され,研究の推進,指導,施設の発展に尽力されました。
 平成14年3月,本学を定年退職後,同年4月,北海道大学名誉教授の称号を授与され,また,同14年6月から北海道立オホーツク流氷科学センター所長に就任し,逝去されるまで地域に根ざした教育普及活動に尽力されていました。
 同氏の研究活動としての第一歩は,世界で初めての流氷観測を主眼とするレーダー網の設置でありました。以来紋別を観測研究の拠点として,流氷レーダーの性能,オホーツク海沿岸域の流氷の動きの実態調査研究等に尽力されました。流氷レーダー情報は研究観測用と同時に,沿岸域の氷海中を航行する船舶等にも速報され,船舶等の安全航行に多大な貢献をされました。
 また,昭和61年には,「北方圏国際シンポジウム オホーツク海と流氷」を創設され,企画運営面において中心的役割を果たされ,平成24年の第27回開催に至るまで継続してその発展に尽力されました。
 さらに,流氷科学センター所長に就任されてからは,地球環境保全に関する啓発を促進するために,所長として強いリーダーシップを発揮し,企画,啓発活動に新機軸を据え,次世代青少年への環境教育の取組みに並々ならぬ情熱を注がれました。
 これらの功績に対して,平成8年北海道新聞文化賞科学技術賞,同15年日本海洋学会宇田賞が授与されています。
 以上のように,同氏は長年にわたり,海洋物理学等の専門分野を通じて学術上の進歩に寄与され,学外においても地域に密着した啓蒙活動に大いに貢献されました。
 ここに謹んで先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

(低温科学研究所)

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