9月26日(水)から12月13日(木)まで,保健センター主催の「メンタルヘルスファーストエイドを用いたゲートキーパー養成研修会」を4回開催(1回の定員20名)しました。本研修会は,メンタルヘルスの危機にある学生の初期対応からカウンセラーや専門医等への橋渡しまでの,当該学生との接し方等に関するスキル習得を目的としたものです。
研修前半は,講師である保健センター精神科医の橋本直樹先生による「自殺とこころの病気」の講義で始まりました。講義では,オーストラリアで開発され,世界各国で翻訳されている「メンタルヘルスファーストエイド」という技法をもとに,メンタルヘルスの危機にある学生への対応ノウハウを5つのステップ「リスク評価」「はんだん・批評せずに聞く」「あんしん・情報を与える」「サポートを得るように勧める」「セルフヘルプ」に沿って身近な事例を挙げつつ,詳細な説明がありました。また時折,参加者に意見・感想を求めるなどして進行し,参加者は終始興味深く受講していました。特に「リスク評価」にあっては,「死にたいと思っていますか?」「実行する手段を考えていますか?」とはっきり尋ねてみるとの説明があり,年配の参加者からは,従来避けていた「死」または「自殺」等の単語を使うことについて,驚嘆の声も聞かれました。
後半は,学生対応の悪い例,良い例がビデオで提示され,最後に参加者が3〜4グループに分かれ,それぞれのグループに保健センターの精神科医または臨床心理士がアドバイザーとして配置され,参加者が学生役,職員役となって学生対応の模擬演習を行いました。学生役は「就職を苦に・・」との想定でしたが,参加者からは留年や大学・学部のミスマッチ等で修学意欲を失くした学生を想定した場合の対応などについて,質問・意見交換がなされ,予定時間をオーバーすることも度々で,4回の研修で各部局の教務系職員を中心に事務局学務部教務課・学生支援課の職員及び保健センター看護師等78名が受講しました。
なお,研修会で提示のあったビデオについては,内閣府ホームページ(自殺対策)に掲載されていますので,一度ご覧いただき学生支援・指導の一助としていただければ幸いです。
◆ http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/kyoukagekkan/gatekeeper-yousei2.html