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触媒化学研究センター第8回・第9回情報発信型国際シンポジウム
(CRC International Symposium in Koln & in Strasbourg)を開催

 本国際シンポジウムは,文部科学省の共同利用・共同研究拠点の認定を受けている触媒化学研究センターが,拠点活動の一環として「日本が誇る先駆的研究成果を“日本の研究機関の主導で”海外において情報発信する」というコンセプトの下で企画・運営されています。これまで,平成17年のアーヘン工科大学(ドイツ),平成18年のパデュー大学(アメリカ合衆国),平成19年のリヨン大学(フランス),平成20年のスウェーデン王立科学アカデミー(スウェーデン),平成21年のモスクワ大学(ロシア),平成22年の北京大学(中国),平成23年のヨーク大学(カナダ)で行ってきたシンポジウムに続くものです。平成24年度からは年2回開催となり,第8回目を3月4日(月)ケルン大学(ドイツ),第9回目を3月7日(木)・8日(金)ストラスブール大学(フランス)において,開催しました。
 CRC International Symposiumは,これまで「クロスカップリング反応」を主なテーマとしてきましたが,2010年ノーベル化学賞を「鈴木カップリング」の鈴木 章氏(本学名誉教授,触媒化学研究センター特別招へい教授),「根岸カップリング」の根岸英一氏(米国パデュー大学特別待遇教授,触媒化学研究センター特別招へい教授)及び「溝呂木・ヘック反応」のリチャード・ヘック氏(米国デラウェア大学名誉教授)の3氏が受賞したことからその重要性は世界的に明らかになり,区切りがつきましたので,平成24年度からは「有機合成触媒」と本センターに触媒理論化学研究部門が新設されたことを契機に「触媒理論化学」の2つをテーマとし,年2回開催することとなりました。

3月4日 CRC International Symposium in Koln『Asymmetric C-C Bond Formation & Organometallics』(於:ケルン大学)

集合写真

集合写真

 ケルンのシンポジウムには,2010年ノーベル化学賞受賞者の根岸英一氏,この分野で先駆的な役割を果たしている日本人研究者3名(林 民生:シンガポールIMRE教授,柴崎正勝:微生物化学研究会微生物化学研究所化学系所長,山本 尚:シカゴ大学教授・中部大学分子性触媒研究センター長)に加え,地元ドイツから3名(Prof. Hans-Günther Schmalz:ケルン大学,Prof. Albrecht Berkessel:ケルン大学,Prof. Gerhard Erker:ミュンスター大学),スウェーデンから1名(Prof. Jan-Erling Bäckvall:ストックホルム大学)の研究者を講師として招待しました。

オープニング

オープニング

講演の様子

講演の様子

聴衆の様子

聴衆の様子

3月7・8日 CRC International Symposium in Strasbourg『Chemical Theory for Complex Systems』(於:ストラスブール大学)

 ストラスブールのシンポジウムには,この分野で先駆的な役割を果たしている日本人研究者5名(諸熊奎治:京都大学福井謙一記念研究センターシニアリサーチフェロー,平尾公彦:理化学研究所機構長,中辻 博:量子化学研究協会研究所所長,大峯 巌:分子科学研究所所長,武次徹也:理学研究院教授)に加え,地元フランスから2名(Prof. Chantal Daniel:ストラスブール大学,Prof. Odile Eisenstein:モンペリエ大学),アメリカから6名(Prof. William H. Miller:カリフォルニア大学バークレー校,Prof. George C. Schatz:ノースウェスタン大学,Prof. Joel M. Bowman:エモリー大学,Prof. William A. Goddard III:カリフォルニア工科大学,Prof. Djamaladdin G. Musaev:エモリー大学,Prof. Martin Karplus:ハーバード大学),スペインから1名(Prof. Feliu Maseras:カタロニア化学研究所),ドイツから1名(Prof. Walter Thiel:マックスプランク研究所),スウェーデンから1名(Prof. Per E. M. Siegbahn:ストックホルム大学)の研究者を講師として招待しました。

集合写真

集合写真

オープニング

オープニング

講演の様子

講演の様子

聴衆の様子

聴衆の様子

 どちらのシンポジウムにもたくさんの参加者が集まり(ケルン:約150名,ストラスブール:約80名),熱心に講師の話を聞き入っていました。また,講演後の質疑応答時には多くの質問が寄せられ,盛況のうちに終了となりました。
 第8回・第9回のシンポジウムには,本学から,触媒化学研究センター 高橋 保教授,朝倉清高教授(ストラスブールのみ参加),長谷川淳也教授(ストラスブールのみ参加)に加え,北キャンパス合同事務部事務長ほか1名,触媒化学研究センター技術職員4名が参加し,会場となった大学のスタッフと共に運営にあたりました。
 今回の2つのCRC International Symposiumの開催にあたり,ケルン大学・ストラスブール大学の関係者の方々には,会場の手配・設営,シンポジウム開催の周知等,多大なるご尽力をいただきました。誌上を借りて感謝申し上げます。
 触媒化学研究拠点として認定を受けている触媒化学研究センターは,拠点への研究者コミュニティからの要請に応えるべく,今後も情報発信型シンポジウム等の活動を継続する予定です。

(触媒化学研究センター)

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