3月27日(水),大学文書館では,北方生物圏フィールド科学センター事務部から農場関係文書88点の移管を受けました。移管を受けた文書は,古いものは東北帝国大学農科大学時代から,新しいものは2001年の約100年に及ぶ会計関係の帳簿です。1980年ころまで存在し,現在は廃止となった第四農場(札幌市南区),第五・第六農場(栗山町),第七・第八農場(富良野市)などの帳簿も含みます。100年以上前の備品監守簿・備品出納簿などは,背表紙が非常に重厚な装丁で,重量もかなりに及びます。農場からは,2006年に2,300点以上の文書の移管を受けています。この度,移管を受けた文書もこれらと一緒に整理・保存を進めてまいります。
また,3月29日(金)には,医学系事務部より,医学部関係文書約200点の移管を受けました。文書の内容は,旧制時代の臨時医学専門部や大学院特別研究生に関する文書,戦前から戦後にかけての学位審査関係文書,新制以降の学生入退学に関する文書,講義時間割編成に関する文書などです。例えば,臨時医学専門部は戦時の医師不足という状況に対処するため1939-50年に設置されていた組織です。大学院特別研究生は,戦時下の1943年に研究要員の確保を目的に文部省が創設した制度です。北大では1943-45年の3年間に123名(内,医学部は25名)が選定を受けています。臨時医学専門部も大学院特別研究生も,戦時中の制度であるため,史料の残存状況が悪く,これまで充分に調査されていませんでした。そうした意味で,この度の移管文書は非常に貴重なものです。
大学文書館では,事務上必ずしも事務室に常備しておかなくてもよい大学公文書や廃棄予定の文書,部局・講座・研究室等で保管されてきた資料など,北海道大学の沿革に関わる各種資料の移管・寄贈を受け,整理・保存・調査研究を行なっています。部局・事務室・研究室等にこうした資料がありましたら,大学文書館へご連絡ください。