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時任一彦旧蔵資料を大学文書館で受贈

 8月20日(火),大学文書館では,時任一彦旧蔵資料260点を,ご令孫の時任顯正氏からご寄贈いただきました。
 時任一彦(1871-1957)は,岡山県尋常中学校を経て北海道に渡り,札幌の北鳴学校を卒業後,1892(明治25)年9月札幌農学校予科5年級に入学しました。翌1893年同校本科に進学,南鷹次郎教授の下で農学を専攻しました。「大小麦作と気候の関係」をテーマとした卒業論文を提出し,1897年札幌農学校第15期総代として卒業しました。卒業後すぐに助教授となり,農芸物理学研究のためドイツ・アメリカに留学,帰国後の1905年には教授に昇任し,農芸物理学講座を担当しました。農業機械学・土地改良学を専門として,農具に関する調査や泥炭地開発などの研究・教育に尽力しました。大学経営面では,学生主事(1928-1933年),農学部長(1933-1934年)を務めました。
 受贈資料は,1926-1929年の農学部教授会関係文書,1927年の農学部規程改正に関する文書,1921-1930年の財団法人共済会関係書類,学生の生活・思想の監督・指導に当たった学生監に関する1931-1933年の書類など,時任一彦が大学でそれぞれの役職を担っていた時期の手元文書です。このほかに,農学校生時代に使用した「動物学講義」謄写版ノートや,研究に関係する冊子・雑誌類,同窓生から献呈された冊子類なども含みます。
 時任一彦は戦前の本学の経営・教育・研究のすべての面において重きをなした人物です。1920-1930年代の大学関係資料で現存しているものは必ずしも多くはなく,時任一彦旧蔵資料は大変貴重なものです。今後,受贈資料は大学文書館において大切に保存し,大学沿革史の調査研究等に活用して参ります。
時任一彦旧蔵資料

時任一彦旧蔵資料

時任一彦教授と農芸物理学専攻学生(1924-1925年頃)

時任一彦教授と農芸物理学専攻学生(1924-1925年頃)

(大学文書館)

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