理学部生物科学科(高分子機能学)では平成19年度から毎年,体験入学「ひらめき☆ときめきサイエンス」を実施しています。今年度は,7月26日(土)に理学部5号館学生実験室において,「がん細胞の動きを止めろ! 〜がん細胞のタンパク質を光らせよう〜」と題し,高校生を対象に実施しました。
本プログラムは,科学研究費補助金「基質の軟らかさによって誘引される細胞の協調的集団運動に関する研究」(研究代表者:先端生命科学研究院・芳賀 永教授)の成果をもとに,大学の最先端の科学に触れてもらおうという企画です。北は稚内,東は根室と,道内各地の高校から18名の高校生に参加いただきました。また,今回は独立行政法人日本学術振興会から医歯薬学専門調査班専門研究員である松原久裕先生(千葉大学教授),同職員である今野久乃さんの臨席がありました。
開講の挨拶,オリエンテーションの後,松原先生から科学研究費についてのお話があり,日本の優れた研究や技術は科学研究費によって支えられていることを説明していただきました。次に,がん細胞の運動とその阻害実験に関する授業を行いました。この後,3つの班に分かれて,大学生,大学院生と一緒に細胞骨格タンパク質を光らせたがん細胞の蛍光顕微鏡観察を行いました。
昼食は中央食堂2階でとり,高校や大学生活の話などで盛り上がりました。昼食後,研究室見学ツアーを経て実験室に戻り,蛍光顕微鏡観察を行いました。その後,各々1台のノートパソコンを使って,阻害剤投与前後の細胞形態を数値化し,解析を行いました。
最後に,参加者全員に「未来博士号」を授与しました。その後,クッキータイム(参加者との交流会)を行い,実験の感想や来るべき大学生活についての抱負などを語り合いました。
ポスターやチラシの作成・配布,宣伝のための高校訪問,実験の準備など当日に至るまで苦労が多かったですが,参加者が実験結果に感動している姿を見て,本企画を実施してよかったと実感しています。
実施にあたりご支援をいただいた事務担当者の方々,事前の広報活動,実験の補助を担当してくれた大学生,大学院生の方々に,深くお礼申し上げます。