総合博物館では,12月6日(土)に,鈴木 章名誉教授をお迎えして,子ども達に科学への関心を深めてもらうイベント「サイエンスパーク in 北海道大学」(主催:北海道,北海道大学総合博物館)を,鈴木章ホールのあるフロンティア応用科学研究棟1階のセミナー室で開催しました。札幌市と旭川市の小学校5・6年生と保護者30組が参加しました。
最初に,主催者を代表して川端和重理事・副学長から実験における失敗から学ぶ重要性について触れる挨拶があった後,鈴木名誉教授から科学への関心を広げるこのイベントを楽しんでほしいとお言葉をいただきました。
その後,山本靖典工学研究院准教授の指導のもと,参加児童は,隣に座った保護者が見守るなか,各自でクロスカップリングの実験を行いました。鈴木名誉教授や川端理事・副学長,山本准教授, 津曲敏郎総合博物館長がそれぞれの席を回り,鈴木名誉教授は試薬の撹拌方法などをアドバイスされました。司会進行を務めたミュージアムマイスターの久保田彩さん(理学院修士1年)と山内彩加林さん(水産学部2年)も児童に声をかけ,実験を手伝いました。
鈴木名誉教授への質問タイムでは,ノーベル賞を受賞した時の気持ちや,研究で失敗した時の挫折からの克服方法などについて,児童達から率直な思いや疑問が寄せられました。鈴木名誉教授は,「ノーベル賞をいただいたことは嬉しいが,研究で自分が疑問に思ったことがわかったことの方が嬉しかった」,「研究を続ける上で,失敗や挫折を恐れてはいけない」など優しく応えてくださいました。
実験の後,鈴木名誉教授は,資源の乏しい日本が世界に貢献するためにも理科や化学は重要であると語られました。化学も経済も工学も文学も大事であり,その中からサイエンスにも興味を持ってほしい,今日の参加者からサイエンスの道に進む人が出てほしいと語られました。
鈴木名誉教授と川端理事・副学長,山本准教授,津曲館長を囲んで児童たちは記念撮影をし,最後に鈴木名誉教授から児童一人ひとりに修了証書が手渡されました。
津曲館長からの閉会の挨拶後,司会を務めたミュージアムマイスターの久保田さんと山内さんは,参加児童と保護者の方々を対象に,フロンティア応用科学研究棟2階と総合博物館1階のノーベル賞受賞記念展の解説を行いました。