法学研究科及び附属高等法政教育研究センターでは,7月23日から8月20日までの毎週木曜日(8月13日を除く)全4回にわたって,公開講座「表現の自由と秩序」(道民カレッジ連携講座,札幌市教育委員会後援)を開講しました。
本講座は一般市民を対象に毎年夏に行っているもので,昭和58年度の初開催以来の恒例行事となっています。今年度も当初予定定員50名を上回る65名の受講者を得ての開催となりました。
全4回の講座では,近年深刻さの度合いを増している「表現の自由」をめぐる様々な問題について,比較政治,西洋法制史,民法学,法社会学のそれぞれの観点から講義が行われました。
講義では,インターネット等のメディア革新により変容していく社会と,そこに生まれる新たな対立,「自由」という概念への根本的な問いなど,現在世界中で発生している「表現の自由」にまつわる諸問題についての経緯や背景,今後の課題について語られ,受講者からも活発な意見が寄せられました。
最終講義の終了後には閉講式が行われ,尾ア一郎高等法政教育研究センター長から所定の回数(3回以上)を受講した56名に修了証書が授与されました。
本講座は長年にわたって参加されている熱心な受講者が多く,毎年60代以上の方を中心に安定した支持をいただいていますが,今年度は,パンフレット配布範囲の拡大,Eメールによる申込受付などを行い,新たな受講者層の開拓も試みました。結果,例年に比べ20〜30代の新規受講者の割合が増加するなどの成果が見られました。今後も,広報・受付体制の充実を図るとともに,市民の関心を喚起し,思考の一助となるような魅力的なテーマを提供し,さらに多くの方に参加してもらえるよう努めていく方針です。