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教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター教職高度化研究部門
がフォーラム「今後の教職制度改革と大学院における教職の高度化」
を開催

 3月10日(木),教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター教職高度化研究部門が教職高度化フォーラム「今後の教職制度改革と大学院における教職の高度化」を開催しました。
 はじめに,小内 透教育学研究院長より開会挨拶があり,近藤健一郎准教授による報告「今後の教職制度改革の見通しと北大の教職課程」では,昨年12月に出された中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」をふまえ,今後各大学が取り組む教員養成の方向性や,考慮しなければならない点等について紹介がありました。また,東京学芸大学の教員養成評価プロジェクトが進めている研究概要,とりわけ教員の質保証の取り組みや認定基準等が示されました。
 続いて,安達 潤教授による報告「高等学校における特別支援教育の実際と北大生の意識」では,高等学校における特別支援教育のニーズを把握し,中学校・高等学校教員免許を取得する学生,大学院生に対する教育プログラムを検討することを目的として実施された3つの調査(北海道内の高校(161校),現職教師(560名),本学で教職課程を履修している学生(122名))について報告がありました。調査から,8割を超える学校で,学びや行動・コミュニケーションに困難を示す生徒が在籍していること,そのうち4割近い学校では一般的に基準として示されている6%を超えていることなどが示されました。また,学校での指導は,普段の指導の延長に留まっており,本人や保護者の視点に立った支援には至っていない状況などが報告されました。これらをふまえ,今後本学の教職課程に取り入れた方が良い内容や具体的手立てが提案されました。
 シンポジウムでは,「研究志向の大学院における教職の高度化」というテーマのもと,4名のシンポジストから発表が行われました。姫野完治准教授からは,今年度から新たに取り組んだ大学院共通授業科目「学校フィールドワーク実践研究」の取り組み概要と評価について報告がありました。その上で,同授業を受講した大学院生の伊藤 茜さん(生命科学院)と槇口 馨さん(理学院)から,授業を受けての成果と課題が発表されました。続いて,フィールドワークを受け入れた播 良夫氏(札幌北高等学校教諭)より,札幌北高等学校の取り組み状況やフィールドワークでの成果,教職を志望する学生に求めること等が示されました。4名の発表とSarkar.Arani,M.R准教授(名古屋大学)の指定討論をふまえて,大野栄三教授をコーディネーターにフロアを交えた討論が行われ,「教職の高度化」をいかに捉えるか,教師に求められるSocial Justice(社会正義),研究志向の大学院における教職のあり方等について活発な議論が交わされました。
近藤准教授の報告

近藤准教授の報告

安達教授の報告

安達教授の報告

シンポジスト,コーディネーターの各氏

シンポジスト,コーディネーターの各氏

(教育学院・教育学研究院・教育学部)

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