物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(ALP)は,10月1日付で新プログラム生20名の採用を行いました。これらのプログラム生は,総合化学院,生命科学院,理学院,工学院,環境科学院の関連5専攻の修士課程の学生の中から選抜試験を経て採用されました。プログラム生の採用は今年度で4回目で,本プログラムは総勢61名の大所帯となりました。初年度に採用されたプログラム生は現在博士課程2年になり,来年度末には初めての修了者として社会に送り出すことになります。
9月28日(水)に事務局大会議室で行われた新プログラム生の採用式では,プログラム責任者である新田孝彦理事・副学長より新入生一人ひとりに認定書が授与されました。プログラムコーディネーターである石森浩一郎教授からは,「モチベーション・志が非常に高い学生を採用することができた。皆さんには北大全体,あるいは日本全体の期待がかかっている。そのことを意識して,世界を背負って立つような人材となるべく努力してほしい」との激励の言葉が述べられました。採用式に続き,「なぜ科学技術の倫理なのか―科学と市民の望ましい関係をめぐって―」と題した研究倫理セミナーを開催しました。このセミナーでは,応用倫理学が専門である新田理事・副学長による講演が行われました。プログラム生は,研究者自身と社会との間の関係性に対する深い洞察力(内省的知力)を養うことが強く求められます。新プログラム生は,採用式の直後にこのセミナーを受講することにより,それぞれに課せられた期待と責任の重さを自覚する良いきっかけとなりました。
ALPは採択から3年が経過し,現在文部科学省による中間評価が行われています。教員はこれまでの経験から,効果的な大学院教育を行うための様々なノウハウを大量に蓄積してきました。新プログラム生には,最先端の教育プログラムを最大限に余すことなく活用してほしいと思います。ALPでの活動を通して新プログラム生の大学院生活がより実りあるものになることを心より期待しています。
※ALPは,文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業の支援を受けて平成25年度よりスタートした5年一貫の大学院教育プログラム。産業界や学術・研究機関など,様々な領域で幅広く活躍可能なグローバルリーダーを養成することを目的としている。そのために,「圧倒的専門力」「俯瞰力」「フロンティア開拓力」「国際的実践力」「内省的知力」と名付けた5つの力を獲得することを目標としたカリキュラムと,充実した経済支援をプログラム生に提供している。