水産科学研究院及び北方生物圏フィールド科学センターは,紋別市との連携のもと,学術・教育・文化及び地域振興に関する各分野において協力し,相互の発展充実を目的として,11月14日(月)に連携協定を締結しました。
当日は,紋別市海洋交流館で協定の調印式が行われ,水産科学研究院の安井 肇研究院長,北方生物圏フィールド科学センターの本村泰三センター長,紋別市長の宮川良一氏の3者が協定書に署名しました。また,本協定の締結に伴い,本研究院では紋別市海洋交流館内に,紋別市から共同で使用する研究室「オホーツク海洋研究室」の借用を受け,同日,玄関前に看板を設置しました。
今回の協定締結により,本研究院では,今後も同市のオホーツクタワーで収集される海洋環境・プランクトンのデータ解析により同海域の低次生態系解明を目指すとともに,LED光を利用した効率的集魚手法,パッシブアコースティックモニタリング(PAM)による対象生物の生態や生息密度の推定・種判別手法の開発,さらに,チョウザメの海水飼育手法の確立を目的とした実験を計画しており,海洋を基軸とした価値創生を通して地域振興に寄与するとともに,紋別地域で展開されている海洋環境学,海洋生物学を基盤とする科学教育の推進に貢献することを目指しています。
一方,北方生物圏フィールド科学センターでは,変動する海洋環境への海洋生物の応答について明らかにするため,高次捕食者であるアザラシなどの海棲哺乳類の行動・生態に関する共同研究を進めるとともに,地元へのアウトリーチ活動を行うことにより,地域の振興に貢献していきます。また,本研究院の足立伸次教授が推進するチョウザメ養殖の種苗は同センターの七飯淡水実験所で生産されたものであり,既に飼育に取り組んでいる自治体や紋別市での飼育が本格化し,同実験所がチョウザメ種苗生産をさらに進めていくなかで,水産科学研究院と北方生物圏フィールド科学センターが,今後益々教育・研究及び地域貢献を推進していくことが期待されます。