11月28日(月),大学文書館では,佐藤ユリ氏より,札幌農学校第1期生・初代総長の佐藤昌介(1856−1939)を描いた肖像画をご寄贈いただきました。
ご寄贈いただいた肖像画は,1912(大正元)年4月3日,「佐藤博士就職二十五年記念祝賀会」より,佐藤昌介(当時,東北帝国大学農科大学長)に贈呈された油彩画(キャンバス・木彫額)です。油彩画の作者は,白樺派を代表する洋画家の有島生馬(壬生馬)です。制作にあたって,有島生馬は,佐藤昌介の肖像写真と制作依頼の書簡を,兄である有島武郎(当時,大学予科教授)から受け取っています。その書簡には,「彼れは全く妥協のみの人にあらず其の奥には一個の主張あり…平常寡言なれども一度破顔寛話すれば一派の春風を呼び来るに足る」と,有島武郎の眼から見た佐藤昌介が表されていました(『有島武郎全集』第13巻,筑摩書房,1984年,250〜251ページを参照)。
ご寄贈いただいた肖像画は,今後,大学文書館内の展示スペースに飾り,来館された皆様にご覧いただきます。
本年は,北海道大学創基140周年であると同時に,佐藤昌介博士生誕160周年の年でした。それを記念して,2017年内に企画展示「佐藤昌介とその時代」(仮題)を開催したいと考えています。