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農学研究院で平成28年度第2回FD研修会を開催

 農学研究院では,澤村正也安全衛生本部副本部長(理学研究院教授)を招いて,安全衛生に関するFD研修「化学物質を取り扱う研究室の安全対策」を11月24日(木)に農学部N21講義室にて開催し,教員16名,事務職員4名が参加しました。
 講演では,「東日本大地震と熊本地震における東北大学と熊本大学の被災状況と地震対策」「化学物質を扱う研究室の安全衛生自主管理(研究室のリスクアセスメントと対策)」「化学物質が関わる法令対応」が取り上げられました。農学研究院では,今年度も未固定の実験棚などの耐震補強を実施しましたが,札幌市の地震被害予測では,月寒断層や西札幌断層による地震により本学が位置する市中心部にも大きな被害が想定されています。東日本大地震による実験室の被害状況の説明のあと,薬品類の管理方法や各種実験器具並びに高圧ボンベの固定など,澤村教授の研究室で実際に行われている地震対策が紹介されました。未知への挑戦ともいえる研究には様々な危険が潜んでいるので,教員はそこで学ぶ学生を守る責務があり,安全管理が研究室運営の最優先事項となること,特に,化学物質を取り扱う研究室においては,保存量や頻度に関わらず,正しい知識と高い安全意識をもって研究に臨まなければならないことなどが強調されました。また,研究室独自の安全・防災マニュアルが紹介され,電気火災,寒剤事故を未然に防ぐ具体的な対処方法,毒物・劇物の管理,学生への安全教育の重要性が述べられました。最後に,安全マニュアルの総論の文言「安全は授かるものではなく,作り上げるものである」「研究室の構成員一人一人が高い意識をもって努力し,かつ互いに密接で厳格な連携があってこそ成り立つものである」「完全な安全はない。常により高いレベルを目指して進化しなければならない。これは研究者の心得である」が紹介され,研修会は終了しました。
 地震や事故が起きてからでは取り返しがつきません。今回の研修会で改めて,安全衛生自主管理の重要性並びに安全管理に関する高い意識を持つことの重要性を強く感じました。講演者の澤村教授には,ここに改めて感謝申し上げます。
研修の様子 研修の様子

研修の様子

(農学院・農学研究院・農学部)

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