理学研究院アクティブラーニング(AL)推進室と物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(ALP)では,昨年度に引き続きアクティブラーニングに係るシンポジウムを3月14日(火)に理学部5号館201教室で開催し,教職員37名,学生10名の参加がありました。
グループワークや課題解決型学習など学生の能動的な学習を取り入れたアクティブラーニングは,大学教育においても推奨され,その導入に向けて多くの取り組みがなされています。この度のシンポジウムでは,AL推進室とALPがそれぞれ実践しているアクティブラーニング型授業について報告すると共に,専門教育においてアクティブラーニングを実践している教員から,その具体的な実践例と実践を通して見えてきた学習効果や課題等についての話がありました。
シンポジウムは,理学研究院の齋藤 睦副研究院長による挨拶で始まり,続いて5件の講演が行われました。アクティブラーニング推進室の担当教員(難波美帆,古澤和也)からは,専門教育におけるアクティブラーニング型授業のプロトタイプを作る試みとして実施した理学部生を対象とする授業の概要及び,その学習効果と課題について報告がありました。歯学研究科の八若保孝教授からは,同学部・研究科でのアクティブラーニングについて,その導入に至った経緯,専用教室の整備やカリキュラム改革,FD研修なども含めた紹介がありました。また,大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング(BE)専攻の上西啓介教授からは,「大学院生向けアクティブラーニングの実践と課題」と題して講演いただきました。同専攻では,専門教育とアントレプレナーシップ教育を両立させるカリキュラムを実施すると共に,同大経営学専攻が実施する1年間の技術経営(MOT)コースの受講により,BE修士課程を含めた3年間でMBAも取得できる教育プログラムを創設するなど,先進的な人材育成を行っていることが分かりました。
休憩を挟んだ後半のセッションでは,専門性を活かす力を併せ持つ人材の育成を行っている本学の2つの大学院教育プログラムからの講演がありました。ALPの七澤 淳客員教授は,昨年度実施したProblem Based Learningの過程を振り返り,学生がチームで課題解決に取り組んでいる様子について,教員のファシリテーターとしての役割も交えながら報告しました。また,新渡戸スクールの繁富香織特任准教授は,基礎プログラムで行っているアクティブラーニングの事例と今年度から始まる博士課程学生を対象とする上級プログラムの概要について紹介しました。上級プログラムには指導教員らと連携して行うプロジェクト研究が含まれており,今回のシンポジウムは教員の方に上級プログラムについて知ってもらう機会になりました。
最後に,参加者から講演者に対する質疑を中心とするフリーディスカッションが行われ,シンポジウムは盛会の内に終了しました。