量子力学1(専門科目・講義)
理学研究科・理学部・山本 昌司
【授業の目標】 | 量子力学は,20世紀の初めにボーア,ハイゼンベルグ,シュレーディンガー等の物理学の巨人によりその基礎が完成され,アインシュタインの相対性理論とともに現代物理学の基礎をなしています。半導体を使ったコンピューターや家電製品,また病院での検診機器に使われるNMR現象など,身の回りにもこの量子現象を用いた機器が数多くあります。 量子力学は,物質の構成要素である電子などが,粒子性と波動性の二重の側面を持っているという実験結果をもとに作り上げられた体系です。この二重性は,日常的な直感では理解しがたく,このことが量子力学を初学者に分かりにくいものにしています。 本授業の目的は,このわかりづらい量子力学に慣れ親しみ,また量子力学の理解に不可欠な数学を習得することにあります。 |
【到達目標】 | 量子力学は,大学生の大学生たる所以,高校生に自慢できる知識体系です。まず量子力学的センスを身につけましょう。そして,高校で耳にした原子や電子軌道の話に,数学的基礎を与えましょう。 |
【授業計画】 | 0)はじめに―量子力学的発想―,1)ニュートンが万能でなくなるとき,2)電子は波で光は粒子?,3)シュレーディンガー方程式,4)算術トレーニング―デルタ関数, フーリエ変換―,5)物理は観るものである―エルミート性―,6)シュレーディンガー方程式の解―簡単な例,7)平静な状態と興奮した状態,8)行列に親しむ,9)水素原子を覗いてみたら |
【評価の基準と方法】 | 基本的に,講義時間中に行う複数回の演習・ミニテストによって,成績評価をします。皆でディスカッションする時間なども設けるつもりですので,しっかり参加してください。 |
学生の自由意見