ここでは「学生アンケート」結果に基づいて,部局として対応した結果について述べることとする。
水産学部の教員は,各人が良い授業をやろうと努力はしていることは当然であるが,自分でやっていることがこれでいいのか,どのようにしてそれを客観的に確認しようとしているのか,また外部の人からは教員がどれだけ努力をしているのかも判らない状態である。そこで,水産学部では平成11年度(第1,2学期)及び平成12年度(第1学期)に水産学部教員が開講した専門科目で「授業アンケート」評価を受けた全教員の科目の評点からどのようなことがわかるのかを解析し,その結果を教授会で報告,FDの実施を通して教員にフィードバックした。さらに,部局独自の教員に対するアンケートを実施した結果もまとめた。これらの結果はすべて部局のFDで報告し,教員個人の授業改善を促した。以下その概要を報告する。
1 平成11年度(第1,2学期)および平成12年度(第1学期)の専門授業科目の評価結果の解析
点検評価委員会からの教員データに基づいて解析と報告を以下のとおり実施した。
これらの解析結果は自己点検評価報告書に詳細に掲載報告すると共に,FDで活用した。
2 教員に対するアンケート調査の実施
平成13年9月21日に水産学部教員に対するアンケートを実施した。
担当教員が全員アンケート調査を受けていない,クラスサイズによって違い,必修科目と選択科目の違い,基礎科目とそうでない科目の違い,いいかげんな評価をしている学生も含まれるなど批判が多かったが,北海道大学として実施した「学生のアンケートによる授業評価」に基づいて何か工夫を行っている人は約86%に達していた。「参考になる」と「少し参考になる」を合わせると約81%の人が参考になると回答した。したがって,水産学部ではシラバスの充実(平成11年度)とアンケート調査の実施とその結果のフィードバックによって,教員の授業に対する意識の向上が認められた。
3 解析結果を部局FDで報告
このようなアンケートの実施,そのフィードバック,FDの実施から個人の努力が部局全体の専門科目で授業を改善するために役立ってきたと認識している。
(文責:水産科学研究院教育改善委員会委員長 猪上徳雄)
図1 水産学部専門授業科目の評点平均の分布の変化(平成11〜16年度)