授業アンケートの実施は,個々の教員が授業内容や方法を改善するための貴重な資料を得る機会として位置づけられている。そのため,授業アンケート結果は,提出者の自由記述欄を含めて,すべて授業担当教員にフィードバックされており,その意味では,学生諸氏の意見が反映されてきたと言える。
しかしながら,アンケートを提出した学生諸氏から,この授業アンケートがどのように活かされているかがわからない,という質問がよく出てくる。その理由の一つとして,アンケート結果に基づいて教員がどのような具体的対応をおこなったかについて記される機会がなかったことがあげられる。このことから,評価室では,平成17年12月に,授業アンケートを実施した教員から,アンケート結果に対する対応ならびに意見を収集し,回答を得たものを公表することにした。これによって,教員側からの回答と問いかけが見えるものとなったと言える。
現在は多くの大学でおこなわれている授業アンケートであるが,本学では平成5年に初めて実施されて以来,長い歴史を持っている。しかし,学生諸氏からの評価に対して,個々の教員がどのような対応をしたか,どのような意見を持っているかの表明は今回が初めてであり,貴重な資料となった。その意見の中には,今後の授業アンケートのあり方について検討すべき多くの提案も入っている。
今回,このような資料を公表できたことに関して,回答した教員諸氏には深甚の謝意を表する。なお,当初,各教員への回答依頼では,匿名のまま回答内容を整理して公表する予定である旨の説明をしたが,大部分を,教員の了解を得て記名公表することとなった。その理由の一つは,各教員の回答内容が授業科目と対応した具体性を持っており,匿名で整理するよりは,記名が適切と考えられたためである。もう一つの理由は,回答数が予想より少なく,匿名で整理する適切な方法を見いだせなかったためである。そのため,当初に回答を寄せた教員には,あらためて記名公表の可否を問うなど,異なった方法となったことについて,お詫びする次第である。
北海道大学評価室
掲載した意見等は,平成17年度(平成16年度後期及び平成17年度前期)に実施した授業アンケート結果に対し回答のあったものです。
アンケートの実施方法,結果の全体的な分析等については,「学生による授業アンケート報告書」(平成17年度)をご覧ください。