13tレースウェイ型水槽

水槽ごとに温度の設定を変えて飼育している・

恒温室

 実験所では周辺の海から、海水をポンプでくみ上げています。そのため常に新鮮な海水で海産生物を飼育することができます。
 多くの生物は、温度や光周期の変化で自分の体をコントロールしています。そのため水温と光周期の管理は飼育実験をするうえで、非常に重要なポイントとなります。実験所には自由に温度や日長を設定できる飼育室が2つあり、様々な条件での飼育が可能です。

第1飼育室・第2飼育室

研究棟

PCR用プログラム
温度制御装置

クリーンベンチでの作業
電気泳動
研究室1
 主にDNAの実験に使われている部屋です。近年、生態学の分野でもDNAなどの遺伝子情報を駆使した研究が盛んに行われるようになりました。遺伝情報を利用することで、今までは推察するしかなかった「この親とあの親ではどちらが多く子供を残せるのか」という問題や「この集団とあの集団はどのくらい交流があるのか」という問題に対して、より正確に答えることができるようになりました。このような手法を用いることで、進化の過程をよりリアルに捉えることができるのです。
 実験所ではDNAの抽出からプラスミドの精製、濃度測定、PCR、シーケンス、電気泳動などの一連の実験ができる設備がそろっています。
研究室2
主に組織切片の作成に使われている部屋です。包埋や染色等の組織切片を作るための道具が一通りそろっているので、生物の性分化や成熟度等細胞学や組織学的な観察をすることが出来ます。またここはアルコールやホルマリンなどの薬品の保管庫にもなっています。

標本棚

ドラフトチャンバー内で
染色作業

水道水と海水両方出る流し

学生実験室
 実験所では一番広い部屋です。年に何回か学部学生の臨海実習や、地域の小中学生を対象としたシュノーケリング教室などがこの場所で行われます。
 後ろには水道水と海水の両方使える広い流しがあり、普段は実験所の学生がサンプル処理などに利用しています。標本棚には周辺の海で採集された様々な海洋生物の標本が並んでいますが、ここにはなんと技官の野村さんが昔南極調査隊にいた頃採ってきた南極海の生物たちも混じっています。

濾過装置やヒーター(クーラー)

水中スクーター

ダイビング器材

第2倉庫

周囲を天然の岩礁域に囲まれているという地の利を生かし、実験所ではフィールド研究が盛んに行われています。そのひとつがスクーバ潜水を用いた野外調査です。実際に海の中に入ってみると、室内実験だけでは見えてこなかった様々な不思議を生き物たちは見せてくれます。野外での観察と飼育実験を組み合わせることで、その不思議を紐解くことができるのです。この第2倉庫では、そのような潜水調査や飼育実験のためのさまざなま器材を収納しています。

サンプル瓶、マイクロチューブなどの消耗品や三枚網などのサンプリング用品、船用品などを収納しています。

第1倉庫

 階段と踊り場の壁には様々な表情を見せる魚たちの写真が展示されています。そのほとんどが卵塊の保護行動、産卵行動、交尾行動などの生態写真で、いつか自分もこんな写真が撮りたい!という情熱が湧いてきます。
 残念なのが実験所のギャラリーなのに実験所周辺の海で撮られたものがほとんど無いこと・・・。このギャラリーに我々のフィールドの写真をもっと増やしたいなぁと思っている今日この頃。

ギャラリー

 収容可能人数72人。普段は実験所の院生がまるで我が家のように自由奔放に使っています。しかし年に数回、大学の授業の一環で臨海実習が行われ、このときは居室も満員になってしまうので院生は我が家を追い出されるわけです。いつも昭和の生活感がにじみ出ている宿泊棟にもこのときばかりは若さがみなぎります!
 和室と洋室の2種類あります。(写真は洋室)

居室

某院生の推定によると最大25人まで入れる巨大浴槽があります。水道管が凍結する冬季以外は週に1〜2度お湯を張ってくれます。お風呂の日以外は地元の漁師さん絶賛の熱湯温泉に行って研究の疲れ(?)を癒します。

巨大浴室

 夜の帳が降りる頃になると、ぽつりぽつりと学生たちが食堂に集まってきます。普段はそれぞれのペースで食事をとっていますが、何か心に衝撃が走った時にはみんなで一緒に晩御飯を作って食べることもあります。
 時々輪読会などのゼミをやったり、学会発表の練習をしたりするのにも使われます。
 写真はひな祭り!ということでちらし寿司なんぞを食べてみたりしているところ。

食堂

 臼尻町の外食事情は、ちょっと悲しくなるほど悪く、実験所を利用する学生たちはみな、基本的には自炊しています。実験所の厨房には、中華料理屋もびっくりの火力を誇るガスコンロ、前浜の幸をぞんぶんに活かしきる両面魚焼き機(ピザも作れる!!)など、自炊意欲を刺激する武器が数々そろっています。実験所の学生たちは日々ここで腕を磨いております。

厨房

宿泊棟

小さな台所とテーブルがあります。学生、教官、職員の憩いの場であり、研究や実験所の将来について熱く議論を戦わせる場でもあります(?)。めいめい気ままにお茶を飲んだり新聞を読んだりしています。

談話室

国内、国外問わず様々な人たちが臼尻実験所を利用してほしいという思いを込めて作られた部屋です。現在は第2DNA実験室としても使われています。

研究員室
顕微鏡室
生物顕微鏡、実体顕微鏡が各1台ずつあります。
 
 (写真左)生物顕微鏡。蛍光顕微鏡、偏光顕微鏡、
      微分干渉、顕微鏡の機能も備えています。
 
 (写真右)実体顕微鏡
 
 (写真中央)顕微鏡画像をデジタル化して保存したり
        加工したりすることのできる装置です。
→これからダイビング
→タンクの充填をしているところ

 タンクを保管しておく建物です。コンプレッサーもあり、タンクの充填ができます。

高圧室

 潜水調査の際、岸からエントリーして調査ポイントに向かうことができます。東側と西側の2箇所あります。2008年5月には西側斜路が改修され新しくなりました。

斜路

魚礁に潜水調査に行くときの様子

実験所のいかだで栽培している昆布の様子を見に行く野村さん。植物学講座の学生さんが毎月成長量を調べに来る。

 実験所所有の船外機付きの磯舟です。岸からやや離れた場所に潜水調査に行ったり、網や籠でのサンプリングをしたりする際に、技官の野村さんが舟を出してくれます。

なぎさ

寝室。浴衣あり!

 文字通りゲストのための家です。寒流の生物の野外調査や飼育実験、DNA実験など、ここの施設を利用するために、他大学や他の研究機関、教育機関に所属する研究者の方もたびたび実験所を訪れます。そのような外部の研究者の方が気持ちよく過ごせるようにと、退職された技官の方のおうちを改装して作りました。シャンデリア付きの豪華さで(嘘)、先生も張り切って、なんと浴衣まで用意してしまいました(ほんと)。
 利用したいという方はこちらまで

ゲストハウス

施設紹介

絵の上にポインタを持っていくと説明が表示されます

→シュノーケリング教室や海洋実習で使うウエットスーツ
キッチン

風呂&シャワー室

 ガス湯沸し式お風呂が2室とシャワー室が1室あります。いつでも好きな時に入れるので、海に潜ったあとや肉体労働が終わった後など、さっぱりしたいときにすぐに入れます。
 しかも風呂の外に長いホースのついたシャワーがあるので、冬の冷たい海に潜ったあとでも温水で器材や体を洗うことができます。

北側斜路

 2007年5月に完成した3つ目の斜路。海水汲み取りポンプのすぐ脇に作られました。実験所北側の藻場や岩礁帯へのエントリーがしやすくなり、岸からの潜水調査の幅が広がりました。