○北海道大学大学院医学院規程
平成29年4月1日
海大達第129号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、国立大学法人北海道大学組織規則(平成16年海大達第31号)第27条の3第4項の規定に基づき、医学院(以下「本学院」という。)の教育課程等に関し必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 本学院は、医学に関する高度の専門的な知識及び技術を備えた教育者及び研究者を養成し、並びに健康及び安全に対する多様かつ広範な地域社会又は国際社会の要請にこたえることのできる広くかつ高い識見を備えた人材の育成を図ることを目的とする。
第2章 課程、専攻及びコース
(課程及び専攻)
第3条 本学院に修士課程及び博士課程を置き、当該課程にそれぞれ次の専攻を置く。
修士課程
医科学専攻
博士課程
医学専攻
(履修コース)
第4条 医科学専攻に、履修上の区分として、次のコースを設ける。
医科学コース
公衆衛生学コース2年コース
公衆衛生学コース1年コース
2 医学専攻に、履修上の区分として、次のコースを設ける。
基盤医学コース
臨床医学コース
社会医学コース
第3章 入学、再入学、転学及び所属変更
(入学)
第5条 本学院修士課程に入学できる者は、北海道大学大学院通則(昭和29年海大達第3号。以下「通則」という。)第10条第1項各号のいずれかに該当する者とする。
2 前項に規定する者のうち、本学院の行う選考に合格した者については、教授会の議を経て、総長が入学を許可する。
第6条 本学院博士課程に入学できる者は、通則第11条各号のいずれかに該当する者とする。
2 前項に規定する者のうち、本学院の行う選考に合格した者については、教授会の議を経て、総長が入学を許可する。
(再入学及び転学)
第7条 通則第13条各号に該当する者が本学院に再入学又は転学を願い出た場合は、選考の上、教授会の議を経て、総長がこれを許可することがある。
(所属変更)
第8条 通則第13条の2第1号に該当する者が本学院に所属の変更を願い出た場合は、選考の上、学院長がこれを許可することがある。
第4章 授業科目、修了要件、履修方法及び試験
(授業科目及び単位)
第9条 各専攻の授業科目及び単位は、別表のとおりとする。
2 前項に規定する授業科目のほか、必要がある場合は、教授会の議を経て、臨時の授業科目を設けることができる。
(単位数の計算の基準)
第10条 各授業科目の単位数を定めるに当たっては、1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。
(1) 講義及び演習については、15時間の授業をもって1単位とする。
(2) 実習については、30時間の授業をもって1単位とする。
(課程の修了要件)
第11条 修士課程医科学コース及び公衆衛生学コース(2年コース)の修了要件は、本学院修士課程医科学コース又は公衆衛生学コース(2年コース)に2年以上在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、修士課程の目的に応じ、本学院の行う修士論文の審査及び試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては、優れた研究業績を上げた者については、当該課程に1年以上在学すれば足りるものとする。
2 修士課程公衆衛生学コース(1年コース)の修了要件は、本学院修士課程公衆衛生学コース(1年コース)に1年以上在籍し、専攻の所定の授業科目について30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、修士課程の目的に応じ、本学院の行う修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格することとする。
3 本学院において教育上有益と認めるときは、研究科、他の学院若しくは教育部の専攻の授業科目又は学部の授業科目若しくは北海道大学専門横断科目規程(平成31年海大達第50号)に定める専門横断科目(次条第2項において「専門横断科目」という。)を指定して履修させ、修士課程の単位とすることができる。
4 本学院において教育上有益と認めるときは、北海道大学大学院共通授業科目規程(平成12年海大達第24号)に定める授業科目(次条において「共通授業科目」という。)を指定して履修させ、修士課程の単位とすることができる。
第12条 博士課程の修了要件は、本学院博士課程に4年以上在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、本学院の行う博士論文の審査及び試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては、優れた研究業績を上げた者については、当該課程に3年以上在学すれば足りるものとする。
2 本学院において教育上有益と認めるときは、研究科、他の学院若しくは教育部の専攻の授業科目又は学部の授業科目若しくは専門横断科目を指定して履修させ、博士課程の単位とすることができる。
3 本学院において教育上有益と認めるときは、共通授業科目を指定して履修させ、博士課程の単位とすることができる。
(長期履修)
第13条 本学院において、学生が職業を有している等の事情により、標準修業年限を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修し課程を修了することを希望する旨を申し出たときは、その計画的な履修(次項において「長期履修」という。)を認めることができる。
2 長期履修に関し通則第4条の2に定めるもののほか、本学院において必要な事項は、教授会の議を経て、学院長が別に定める。
3 本学院において教育上有益と認めるときは、学生が、他の大学の大学院若しくは研究所等又は外国の大学の大学院若しくは研究所等において必要な研究指導を受けることを認めることができる。ただし、当該指導を受ける期間は、修士課程の学生について認める場合にあっては、1年を超えないものとする。
(休学期間中の他の大学の大学院における単位等)
第15条 本学院において教育上有益と認めるときは、教授会の議を経て、学生が休学期間中に他の大学の大学院において履修した授業科目について修得した単位又は外国の大学の大学院若しくは国際連合大学において学修した成果について、本学院における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。
(入学前の既修得単位等の認定及び在学年数の取扱い)
第16条 本学院において教育上有益と認めるときは、教授会の議を経て、新たに本学院に入学した学生が、入学前に本学若しくは他の大学の大学院において履修した授業科目について修得した単位(大学院設置基準(昭和49年文部省令第28号)第15条に規定する科目等履修生として履修した授業科目について修得した単位を含む。)又は外国の大学の大学院若しくは国際連合大学において学修した成果を、本学院において修得した単位以外のものについては、15単位を超えない範囲において、本学院における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。
3 本学院は、第1項の規定により入学前に修得した単位又は学修の成果(学校教育法(昭和22年法律第26号)第102条第1項の規定により入学資格を有した後、修得したものに限る。)を本学院において修得したものとみなす場合であって、当該単位又は学修の成果の修得により本学院の修士課程又は博士課程の教育課程の一部を履修したと認めるときは、当該単位数、その修得に要した期間その他を勘案して1年を超えない範囲において、本学院が定める期間在学したものとみなすことができる。ただし、この場合においても、修士課程については、当該課程に少なくとも1年以上在学するものとする。
(履修方法)
第17条 授業科目の履修方法の細目については、教授会の議を経て学院長が定める。
(試験)
第18条 各授業科目の試験(次条第1項において「科目試験」という。)は、当該授業科目が終了した学期末に行う。ただし、やむを得ない事由があるときは、教授会の議を経て臨時に実施することがある。
(成績の評価)
第19条 科目試験の成績は、秀、優、良、可及び不可の5種とし、秀、優、良及び可を合格とする。
2 前項の規定にかかわらず、授業科目によっては、秀、優、良、可及び不可の評価によらずに、合格及び不合格の判定により評価することがある。
(学位論文の提出期日)
第20条 修士論文又は特定の課題についての研究の成果及び博士論文は、本学院の定める期日までに提出しなければならない。
第5章 課程修了の認定
(課程修了の認定)
第21条 修士課程及び博士課程の修了は、当該課程の修了要件を満たした者について、教授会の議を経て、総長がこれを認定する。
第6章 特別聴講学生、特別研究学生及び外国人留学生
(特別聴講学生)
第22条 本学院において特定の授業科目を履修し、単位を修得しようとする他大学の大学院又は外国の大学の大学院の学生があるときは、教授会の議を経て、特別聴講学生としてこれを許可することができる。
2 特別聴講学生は、学期又は学年ごとに許可する。
(特別研究学生)
第23条 本学院において研究指導を受けようとする他の大学の大学院又は外国の大学の大学院の学生があるときは、教授会の議を経て、特別研究学生としてこれを許可することができる。
(外国人留学生)
第24条 通則第47条の規定による外国人留学生の入学については、教授会の議を経て、総長がこれを許可することがある。
附則
1 この規程は、平成29年4月1日から施行する。
2 北海道大学大学院通則の一部を改正する規則(平成19年海大達第38号)附則第2項に規定する医学研究科の高次診断治療学専攻及び癌医学専攻並びに北海道大学大学院通則の一部を改正する規則(平成29年海大達第48号。以下この項において「29年改正通則」という。)附則第2項に規定する医学研究科の医科学専攻及び医学専攻に在学する者(以下「医学研究科在学者」という。)に係る教育課程の実施及び課程修了の認定は、29年改正通則附則第4項の規定に基づき本学院が行うものとし、当該医学研究科在学者に係る教育課程、課程修了の要件その他教育に関し必要な事項は、本学院において別に定める。
3 北海道大学大学院医学研究科規程(昭和30年海大達第38号)は、廃止する。
附則(平成31年4月1日海大達第111号)
この規程は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和2年4月1日海大達第96号)
1 この規程は、令和2年4月1日から施行する。
2 令和2年3月31日に本学大学院に在学する者(以下この項において「在学者」という。)及び同年4月1日以降に在学者の属する年次に入学する者については、改正後の別表の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則(令和3年4月1日海大達第83号)
この規程は、令和3年4月1日から施行する。
別表(第9条関係)
修士課程
医科学専攻
共通コア科目
区分 | 授業科目 | 単位 | 備考 |
必修科目 | 基本医学研究概論 | 1 | |
基本実験・研究計画法 | 1 | ||
医倫理学序論 | 1 | ||
トランスレーショナルリサーチ概論 | 1 |
医科学コース
区分 | 授業科目 | 単位 | 備考 |
必修科目Ⅰ | 基本医学研究法Ⅰ | 1 | |
基本医学研究法Ⅱ | 1 | ||
必修科目Ⅱ | 公開発表演習 | 1 | |
研究発表技法Ⅰ | 1 | ||
研究発表技法Ⅱ | 2 | ||
基本医学研究 | 10 | ||
選択科目 | 基本医学総論 | [2] | 基本医学総論2単位以上を含み、10単位以上を修得すること。 |
臨床ゲノミクス概論 | 2 | ||
臨床情報工学 | 1 | ||
臨床疫学 | 2 | ||
臨床病理・検査医学 | 1 | ||
基礎医学概論 | 1 | ||
臨床医学概論 | 1 | ||
公衆衛生学コースの必修科目Ⅰ |
注 単位欄中の数字に[ ]のつけてある授業科目は、複数の講義題目により行われ、それぞれ一の授業科目として履修することができる。
公衆衛生学コース
区分 | 授業科目 | 単位 | 備考 | |
必修科目Ⅰ | 公衆衛生学コース (2年コース) | 基礎疫学 | 1 | |
基礎生物統計学 | 1 | |||
基礎社会行動科学 | 1 | |||
基礎保健医療管理学 | 1 | |||
基礎環境保健学 | 1 | |||
基礎医学概論 | 1 | |||
臨床医学概論 | 1 | |||
公衆衛生学コース (1年コース) | 基礎疫学 | 1 | ||
基礎生物統計学 | 1 | |||
基礎社会行動科学 | 1 | |||
基礎保健医療管理学 | 1 | |||
基礎環境保健学 | 1 | |||
必修科目Ⅱ | 公衆衛生学コース (2年コース) | 公開発表演習 | 1 | |
研究発表技法Ⅰ | 1 | |||
研究発表技法Ⅱ | 2 | |||
基本公衆衛生学研究 | 10 | |||
公衆衛生学コース (1年コース) | 研究発表技法Ⅰ | 1 | ||
研究発表技法Ⅱ | 2 | |||
基本公衆衛生学研究 | 10 | |||
選択科目 公衆衛生学(2年コース・1年コース共通) | 応用疫学 | [1] | 2年コースは5単位以上、1年コースは8単位以上を修得すること。 | |
応用生物統計学 | [1] | |||
応用社会行動科学 | [1] | |||
応用保健医療管理学 | [1] | |||
応用環境保健学 | [1] |
注 単位欄中の数字に[ ]のつけてある授業科目は、複数の講義題目により行われ、それぞれ一の授業科目として履修することができる。
博士課程
医学専攻
区分 | 授業科目 | 単位 | 備考 | |
必修科目(共通コア科目) | 医学研究概論 | 1 | ||
実験・研究計画法 | 1 | |||
医倫理学 | 1 | |||
公開発表演習 | 1 | |||
研究発表技法Ⅰ | 1 | |||
研究発表技法Ⅱ | 2 | |||
トランスレーショナルリサーチ概論 | 1 | |||
必修科目 | 基盤医学コース | 医学研究法Ⅰ | 1 | 3つのコースのうちから1つのコースを選択し、当該コースに係る全ての授業科目を履修すること。 |
医学研究法Ⅱ | 1 | |||
基盤医学研究 | 10 | |||
臨床医学コース | 臨床医学研究法Ⅰ | 1 | ||
臨床医学研究法Ⅱ | 1 | |||
臨床医学研究 | 10 | |||
社会医学コース | 社会医学研究法Ⅰ | 1 | ||
社会医学研究法Ⅱ | 1 | |||
社会医学研究 | 10 | |||
選択科目 | 医学総論 | [2] | 「医学総論」2単位以上を含み、10単位以上を修得すること。 | |
必修科目で選択したコース以外の授業科目(基盤医学研究、臨床医学研究、社会医学研究を除く。) |
注 単位欄中の数字に[ ]のつけてある授業科目は、複数の講義題目により行われ、それぞれ一の授業科目として履修することができる。