から
から世界

第20代
北海道大学総長
寳金 清博
寳金 清博

北大の「再生」「発展」

 令和2年10月1日、萩生田光一文部科学大臣からの任命を受け、第20代北海道大学総長を拝命いたしました。

 本学は、前総長の解任問題により、約2年間、リーダー不在の時期を経験しました。この間、本学の教職員、学生の皆さんの努力により、国立大学法人としての基本的な責務を果たすことはできました。しかし、総長不在により北海道大学本来の能力を十分に生かすことができず、私自身も、一教員として、苦しい時期を過ごしてきました。

 今回、2年のブランクを経て、新総長に就任することに対して、言葉で言い尽くせない重圧を感じております。また選考から就任までの準備期間も僅か1か月に満たない短いものでした。しかし、本学の「再生」と「発展」を果たすためには、一刻の猶予もあってはならないと覚悟し、この日を迎えました。

 大学学長を引き受けるに当たっては、誰もが並々ならぬ決意をされると思います。私も、これまで、教授職、大学病院長職など、重責を拝命して参りました。しかし、今回は、まさに「全身全霊」を尽くさなければ、この苦境にある北海道大学のリーダーは務まらないと固く肝に銘じております。

寳金 清博

自然な「再生力」を最大化に

 学長・総長には、それぞれの個性があります。ゴールは同じでも、その手法にはその人が受けてきた教育と経歴が反映されます。まもなく創立150年を迎える北海道大学の歴代20代の総長で、臨床医(外科医)の総長は私が初めてとなります。

 私には40年以上に及ぶ脳神経外科医としての貴重な経歴があります。長年、手術室で外科医として、困難な手術を執刀してきました。患者さんの回復に安堵する夜があり、あるいは、予期せぬ結果に悔恨の痛みが癒えない日々も経験しています。また、研究者としては、幹細胞を用いた再生医療の実用化に関わってきました。

 その中で学んだ最も重要な教訓は、治療者は何よりも患者の自然な「再生力」を最大化にすべきということです。そのためには、大きな侵襲を伴う外科治療や、新しい基礎研究から発展した薬物治療・再生治療が、どうしても必要です。

 その「再生」から「発展」に向かう治癒力を本学は十分に持っており、困難な治療に耐え、大きな発展を迎えることができる高いポテンシャルを持っています。そして、私自身が、治療者であると同時に患者自身でもあります。教職員・学生と治療の辛さも共有し、その先にある「発展」の喜びを共に分かち合いたいと切望しています。

寳金 清博
寳金 清博

 問題はまさに山積しています。しかし、全ては、全教職員と学生の皆さんの協力があれば、必ず、解決できるものであると確信しています。逆に、皆さんの力がなければ、どんな些細な問題も乗り越えることは出来ません。加えて、地域社会、行政、企業等、関係する多くの方々からのご支援があってこそ、本学の円滑な運営が可能となります。ご協力を心よりお願い申し上げます。

今後、私の任期は、5年余りですが、「再生」を果たし「発展」に向かうには十分な時間です。この期間、以下の言葉を皆様と共有できればと思っております。

「光」「北」から
「北」から「世界」

 札幌農学校初代教頭であったウィリアム・スミス・クラーク博士が、私達に残した高邁なる大志「Lofty ambition」の精神は、今も、そして今後も、本学の魂の言葉です。この「北の地」から「知の光」を、「世界」に発信することが、クラーク博士の言われた高邁な大志であると理解しています。

 私は、教職員・学生、社会と共に、北から光を世界に発信すべく、先頭に立つ所存です。

 本来、総長就任挨拶では、具体的な施策に関しても言及すべきと思います。しかし、短い準備期間でのスタートでもあり、今後、総長メッセージとして、定期的に「提言」をお伝えしていきます。是非、ご期待下さい。

略歴

寳金ほうきん 清博きよひろ
昭和29年 9月24日 北海道生まれ
昭和 54. 北海道大学医学部医学科卒業
平成 3. 博士(医学)(北海道大学)
昭和 54. 北海道大学医学部附属病院他
61. 11 アメリカ合衆国カリフォルニア大学デービス校客員研究員(期間:2年2ヵ月)
平成 2. 北海道大学医学部附属病院助手
3. 10 柏葉脳神経外科病院医師
4. 北海道大学医学部助手
医学部附属病院講師
8. 11 アメリカ合衆国スタンフォード大学・英国王立神経研究所文部省在外研究員(期間:3ヵ月)
12. 11 北海道大学大学院医学研究科助教授
13. 11 札幌医科大学医学部教授
22. 北海道大学大学院医学研究科教授
25. 病院長・副理事
29. 副学長
31. 社会医療法人社団カレスサッポロ時計台記念病院院長
北海道大学病院客員教授
令和 元. 柏葉脳神経外科病院参与
北海道大学大学院保健科学研究院特任教授