平塚直治関係資料50点(西信子氏・西安信氏所蔵)の複写を作成 |
大学文書館では,平塚直治関係資料50点をご息女の西信子氏・西安信氏(信子氏のご子息,北海道工業大学学長)からお借りし,マイクロフィルム複写を行ないました。平塚直治(1873〜1946)は札幌農学校第14期生として,宮部金吾の下で植物学を専攻し,亜麻立枯病の研究などを行ないました。卒業後は北海道製麻株式会社・帝国製麻株式会社に勤め,戦前の札幌実業界で重きをなした人物です。
2006(平成18)年7月,大学文書館は西氏から,平塚の受講ノート計4冊の寄贈を受けました(『北大時報』第628号参照)。今回,複写を行なったのは,その他の受講ノート,雑記帳,ハガキ等,札幌農学校在学中のものを中心とした資料です。特に受講ノートは,先に受贈した4冊を合わせると,平塚が在学した1890年代前半の札幌農学校の講義の内容を明らかにすることができます。主な受講ノートは以下のものです。
・A.A.ブリガム講義「農学」
・佐藤昌介講義「水産学」「山林学」
・新渡戸稲造講義「経済学」「農業史」
・宮部金吾講義「隠花植物学」「植物生理学」「植物病理学」「藻類・地衣類」
・橋本左五郎講義「動物学」「発生学」「昆虫学」「養蚕学」「土地改良論」
・南鷹次郎講義「園芸学」「普通作物論」「牧畜論」「牧畜学」
・岡ア文吉講義「測量学」
・吉井豊造講義「分析化学」
・佐瀬辰三郎講義「化学概論」
資料の複写方法はマイクロカメラ撮影により,複写資料保存に適したマイクロフィルムを作成しました。また,閲覧・利用の利便性を鑑みて,マイクロフィルム画像のデジタルデータ化を行ないました。今後は,複写資料利用のための環境整備に務めます。
大学文書館では,学内外の貴重な大学関係資料のマイクロカメラ撮影などによる複写作成を積極的に進める予定です。 |
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札幌農学校第14期生卒業記念(1896年)
後列左から2人目が平塚。前列左から南、宮部、佐藤、新渡戸、吉井。 |
宮部金吾講義「隠花植物学」 |
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(大学文書館) |
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