メディア・コミュニケーション研究院主催の公開シンポジウムが,6月26日(土),7月2日(金)の2日間,遠友学舎と東京オフィスで開催されました。
テーマは「超国家的枠組,標準化,ネットワーク化:ヨーロッパ,日本,アフリカの組織的多様性マネージメント」。言語,文化,民族,宗教,国籍の違いといった社会的多様性を,国家以外の次元で組織的に管理しようとするアプローチに注目し,ヨーロッパ,日本,アフリカの事例を検討しました。発表者は研究院から橋本聡,鍋島孝子,金山準の3名(いずれも公共伝達論分野所属),またゲストとして北イタリア南チロルにある研究所EURAC(European Academy of Bozen/Bolzano)のヴェルナー・シュトゥーフレッサー所長をお招きし,「ヨーロッパの組織的多様性管理と南チロルの事例」と題する講演をしていただきました。
EURACの所在地である南チロルは,ドイツ語,イタリア語,ラディン語の3言語地域で,マイノリティ自治の成功例として知られています。EURACはそうした地域の特性を踏まえつつ,マイノリティ研究,メディア研究,ICT技術を応用した多言語教育,コーポレート・カルチャー,観光学などの分野で活発な研究活動を展開しています。特にマイノリティ問題では,欧州を代表する研究拠点です。メディア・コミュニケーション研究院,国際広報メディア・観光学院とは組織上の共通点が多く,今後の協力関係を念頭に置いて所長をお招きしました。所長も本学との交流に前向きで,札幌滞在中に東アジア・メディア研究センター,観光学高等研究センター,スラブ研究センター,公共政策大学院,遺伝子病制御研究所を,また東京では,学院の「国際広報戦略論講座」を担当する野村総合研究所を訪問されました。
札幌と東京の2回のシンポジウムは,幸いどちらも満員の盛況でした。研究院では10月30日(土),11月6日(土)にも札幌と東京で公開シンポジウム「地域発・草の根からの文化発信」を開催いたします。皆様のご来場をお待ちしております。 |