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総合博物館土曜市民セミナー「都市公園の美学的問題圏」を開催

 総合博物館では6月12日(土)に土曜市民セミナー「都市公園の美学的問題圏」を開催しました。講師は文学研究科の北村清彦教授です。
 美学では古くから庭園については論じられてきましたが,公園については論じられる機会が少ないなか,今回の講演では公園,特に自然公園ではなく都市公園の諸問題について講義していただきました。講演ではまず環境芸術の分類が紹介された後,庭園と公園の違いをその成立経緯から解説していただきました。公園の語源は「狩猟地」であり,王侯貴族らの占有地であった公園が,19世紀には都市に住む公衆に開かれた空間として,ピクチャレスクな庭園をモデルとして整備されていきます。都市公園が成立されてきた過程と現在までの展開について,公園をつくる側の意図と公園を利用する市民にとっての意味の点からご紹介いただき,ロンドンのハイド・パーク,パリの都市改造,ニューヨークのセントラル・パークをケース・スタディしていただきました。更に,都市公園の未来について,美学的立場で環境と芸術の関わりから考える視点を講義していただきました。
 会場に集まった80名の市民の方々は熱心に聞き入り,質疑応答も盛んに行われました。

 
講演する北村清彦教授
講演する北村清彦教授
 
(総合博物館)
 

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