部局ニュース

第10回北海道大学教育GPセミナー
「次世代FD・TAが支える大学教育の新たな展開」開催

 総合博物館では,6月26日(土)に,総合博物館1階「知の交流」コーナーにおいて,高等教育機能開発総合センター高等教育開発研究部部長の細川敏幸教授を講師に迎え,「次世代FD・TAが支える大学教育の新たな展開」と題し,本学が取り組んでいる新任教員研修(FD研修),ティーチングアシスタント研修(TA研修)について紹介していただきました。
 細川教授によると,これまで大学教員は研究成果によって採用されていたために教育の訓練は受けておらず,教員によって成績評価基準に差が出るなどの問題があったということです。そこで,大学の組織的教育力を向上させ教員の授業を改善するために,FD・TA研修が実施されるようになりました。大学院FDは平成19年に,学部FDは平成20年に義務化されましたが,実は本学は,いち早くFDに取り組んできた先進的な大学で,平成7年に第1回新任教官歓迎説明会,平成9年に第1回TA研修会,平成10年に第1回FD研修会を行っていたということでした。
 さらに講演では,実際の研修プログラムや,FD・TA研修の新しい動向などを具体的にご紹介いただきました。中でも興味深かったのは,「学生への敬意」「丁寧な態度と言葉づかい」「職業で知り得たことの守秘義務」「セクハラ,アカハラの禁止」「教育する義務と努力」など,大学教員の「職務綱領」の必要性について説かれていた点です。また,シラバスには「一般目標」「行動目標」「方略」「評価(基準)」が記されていなければならず,シラバスは学生と教員との契約書であると例えられていたのが印象的でした。
 大学は常に変化しなければならないものであり,教育を改善するためには持続的な改革努力が必要であるという,教育改革第一線からの大変有意義なお話で,参加者は皆熱心にメモを取り,質疑応答時間だけではなく,講演終了後も先生に質問をされていました。

 
講演する細川教授 質疑応答の様子
講演する細川教授 質疑応答の様子
 
(総合博物館)
 

前のページへ 目次へ 次のページへ