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第1回ワークショップ「消防体制をデザインする」を開催

 一定の規模を有する事業所は,消防法により自衛消防組織の設置が義務づけられています。しかし,工学部のような理系学部の実験室では学生が自分の考えで装置を組み上げ,実験を行っていることが多く,学生はサービス受給者だからといって一概に自衛消防組織に参画しなくても良いとすると消火活動に支障を来すことも考えられます。
 一方で,現在の消防計画において編成している自衛消防組織は,中央事務に所属する人のみで構成しており教員には負荷していません。つまり,通常時の責任分担と非常時のそれとは乖離している状態にあり,実生活に応じた非常時の役割分担を行う必要があります。
 安全衛生管理室では,「自分の大学を自分で守る」という自衛消防の理念を実現させるために,一年間をかけて,これらの問題を解決し,ワークショップという手法を用いて教職員や学生の皆さんが考えを出しながら,新しい消防体制を作ることにしました。
 この議論を行う場として,第1回ワークショップ「消防体制をデザインする」を6月4日(金)13:30〜16:30にかけてC212講義室で開催しました。
 当日は,学生・教職員の他ボランティアスタッフの方々総勢70名が9グループに分かれて議論して頂きました。まず初期消火における手順の考え方について議論を行い,司会者からその実際についてレクチャーを受けました。それから自衛消防組織の在り方や工学部においてどのような地区分担で行うかについて考え,各グループから行われた議論について発表しました。一連の議論は非常に熱気にあふれ,この問題は自分たちの問題であるという雰囲気の中で行われました。
 議論の内容ですが,自衛消防組織への構成員要件については「北大に雇用されていること」「現場を知っている」「場合によっては,学生も関わるべきである」という意見が多く見られ,担当地区の分け方については「棟ごとに区分けて体制作りを行うことが現実的である」との意見が多く見られました。
 実施後の会場アンケートには「工学部の構成員がこんなに集まったことにびっくり」「立場の違う人と話す事で,意識が広がった」「今までは自分は守られる側と思っていたが,自分も守る側だという意識になった」「もっと様々なワークショップをして欲しい」などの声が聞かれ,86%の方々が今回のワークショップについて「面白かった」「やや面白かった」と答え,「防災や工学部に関わる考え方に変化があったか」という問いに82%の方々が「あった」「ややあった」とご回答頂きました。
 今後は,この議論を踏まえて,消防活動のワークフローを考えるワークショップを開催し,そこで得られた議論とも総合して消防体制を構築し,実際に消防訓練を行う計画です。
 なお,この取り組みは安全衛生管理室所属の本宮技術職員が日本学術振興会からの助成を受けている奨励研究の一環として行っています。

 
司会者からの話題提供 議論の様子
司会者からの話題提供 議論の様子
発表の様子 発表の様子
発表の様子
 
(工学院・工学研究院・工学部)
 

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