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農学研究院で市民公開・農学特別講演会「農学の連携」を開催

 11月26日(金)午後1時30分より5時まで,農学研究院大講堂において「農学の連携」のテーマで市民公開・農学特別講演会を,農学院・農学研究院・農学部,札幌農林学会,及び札幌農学振興会の主催,北方生物圏フィールド科学センターの共催,札幌国際プラザの後援をいただき,開催しました。
 この講演会は,明治31年(1898年)に発足した「札幌農林学会」が毎年開催してきた学術講演会を継承・発展させたもので,100年以上の歴史があります。平成9年からは「市民公開・農学特別講演会」と名称を改め,大学関係者だけでなく広く一般市民の方々に公開されるようになりました。市民公開となって本年度で13回目になります。
 上田一郎 農学研究院長の挨拶に続き,インドネシアのボゴール農科大学農業技術学部のハニー・C・ウィジャヤ教授による「My Hokudai’s Dream」の講演が行われました。北海道大学を卒業して以来20年間に行った,日本を初めとする各国との共同研究,インドネシアでの教育を振り返りながら同教授が考える北海道大学の夢「愛と真実,情熱のこもった農学による,より良い世界づくり」について話されました。
 続いて,本学農学研究院の長澤徹明教授より,「地域農業と水」と題した講演が行われました。農業生産を確保して地域の安定と発展をはかるための,人類と水との付き合いの苦労を話されました。水に恵まれない乾燥地域はもとより,水が豊富とされる我が国における多くの課題を挙げながら,多様な相貌を有する農業と水の関わりを俯瞰して,貴重な地域資源である水の利用と保全について話されました。
 次いで,独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センターの折登一隆所長より,「北海道農業研究センターのミッションと連携」と題した講演が行われました。農林水産省所管の研究独立行政法人としての同センターのミッションが紹介され,これを実現するため実施している関連機関との連携・交流について農業・食品産業等を支援する研究所としての特徴について話されました。
 農業は食料生産とともに,地域固有の自然と文化を育んでいます。ハニー教授のおっしゃったように「なによりも農業は人間の生活に最も近いから大事」であり,多くの人の連携が欠かせません。このことをよく理解し,よりよい技術を提供するための研究を進めることが,農学の根本です。北大の農学は,そのような農業の特徴を生かしたより良い世界を作るために,今後も多くの連携を取りながら,幅広く研究を進めていくことを改めて感じることができました。学内外から約160名の来聴者があり,有意義な講演会となりました。
 
講演するハニー・C・ウィジャヤ教授 講演する長澤徹明教授 講演する折登一隆所長
講演するハニー・C・ウィジャヤ教授 講演する長澤徹明教授 講演する折登一隆所長
 
(農学院・農学研究院・農学部)
 

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