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平塚直治関係資料を大学文書館で再受贈

 7月16日(水),大学文書館では,西 安信氏(学校法人北海道科学大学理事長)から,平塚直治関係資料45点をご寄贈いただきました。西氏は平塚直治のご令孫です。「平塚直治関係資料」については,2006(平成18)年7月に西氏とご母堂の信子氏から受講ノート4点をご寄贈いただいており,今回は重ねてのご芳志となります。
 平塚直治(1873−1946)は,1888(明治21)年に札幌農学校予備科に入学,本科に進学後は宮部金吾教授に師事して植物学を専攻しました。1896(明治29)年,卒業論文として「本邦メランプソラ属ノ研究」を提出して第14期生として卒業し,さらに「亜麻立枯病研究」を進めました。その後,青森県,沖縄県の尋常中学校教諭を経て,北海道製麻株式会社の技師となり,後身の帝国製麻株式会社の取締役を務め,戦前期の北海道実業界において重きをなしました。
 この度,受贈した資料は,札幌農学校時代の受講ノート・研究ノートなどノート類34点をはじめ,中学校教諭時代の教え子からの葉書や,弟に当たる平塚直己(陸軍大学校卒業,陸軍少将)の陸軍士官学校卒業後の自筆メモ・原稿などです。
 受講ノートは,佐藤昌介(水産学,山林学),宮部金吾(植物学),南鷹次郎(園芸学),橋本左五郎(動物学,昆虫学,畜産学),岡ア文吉(測量学)といった,札幌農学校を卒業し,農学校の教授・助教授を担っていた教員の講義内容を記録した資料です。教育機能や人材育成の側面から札幌農学校を歴史的に位置付ける場合や,北海道史や植民政策史において札幌農学校が果たした役割を検討する際などに,枢要な資料となります。
 大学文書館では,「平塚直治関係資料」を大切に保存し,展示などで広く紹介するとともに,利用者に閲覧いただけるように準備を進めていきます。
橋本左五郎講義「動物学」の受講ノート(1895年頃)

橋本左五郎講義「動物学」の受講ノート(1895年頃)

平塚直治による雑誌見聞『農海』

平塚直治による雑誌見聞『農海』

(大学文書館)

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