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スラブ・ユーラシア研究センターが冬期国際シンポジウム
境界(ボーダー):ユーラシアで交差する動力」を開催

 スラブ・ユーラシア研究センターは,12月4日(木)・5日(金)の2日間,恒例となっている半期に一度の国際シンポジウムを開催しました。今回は,センターに事務局が置かれている境界研究ユニット(UBRJ)が中核となり,「境界(ボーダー):ユーラシアで交差する動力」というテーマの下で6つのセッションを組織しました。国外からは,アメリカ,中国,ロシア,韓国,ノルウェー,ポーランド,インド,ハンガリーから研究者を招待しました。2日間で89名(延べ133名)もの多数の方にご来場いただきました。4日(木)には札幌アスペンホテルでレセプションが,6日(土)には小樽・余市方面でのエクスカーションが行われ,センター関係者と参加者との親睦が図られました。
 「ボーダースタディーズにおける実践的意義」と題するセルゲイ・ゴルノフ(スラブ・ユーラシア研究センター外国人研究員)による基調報告を皮切りに,初日には国境観光,災害と移住者,2日目には北極圏,ロシアをめぐる国際関係,戦間期ソ連外交をテーマとしたセッションが組織されました。また,初日のセッションでは地域研究における境界の問題についてパネルディスカッションも行われました。今般のシンポジウムは,多様なテーマでのセッションを組むことで,我が国そして世界における境界研究の現段階を知る上で,格好の場となりました。
 同時に,今回のシンポジウムでは,(政治)地理学的な境界研究「理論」と個々のフィールドでの問題解決の「実践」の問題とをいかに架橋するのかという問題関心が強く現れ,我が国での境界研究の新たな一歩を示すことができました。加えて,「理論」「実践」双方の基礎となる質の高い境界地域・越境現象の「記述・分析」そして「比較」,これらの要素を組み合わせながら我が国の境界研究(ボーダースタディーズ)を発展させていくという,一つの方向性が示されました。
「境界(ボーダーズ)が変えるロシアの国際関係」の様子

「境界(ボーダーズ)が変えるロシアの国際関係」の
様子

「北極海航路の社会・経済的インパクト」で報告するヴラジーミル・セミョーノフ氏(中央海洋船舶設計研究所,ロシア)

「北極海航路の社会・経済的インパクト」で報告する
ヴラジーミル・セミョーノフ氏(中央海洋船舶設計研
究所,ロシア)

(スラブ・ユーラシア研究センター)

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