12月14日(日),東京都小笠原村父島二見港で,総合博物館夏季企画展示の巡回展「北海道大学がやってきた学船 洋上のキャンパスおしょろ丸」を水産学部との共催,小笠原村,東京都小笠原支庁港湾課,京都大学宇宙総合学研究ユニット,日本大学生物資源科学部海洋生物資源科学科,帝京科学大学アニマルサイエンス学科の協力により開催しました。また,併せて,おしょろ丸X世(平成26年7月竣工)船内ツアーを行いました。
二見港のある父島には,およそ2,000人が住んでおり,おしょろ丸が到着する3日前から防災無線を通じて巡回展示が開催されることが告知されました。また,おしょろ丸着岸後は,展示スタッフが街の中心にあるスーパーマーケットや飲食店へポスターの掲示を行いました。当日は,放送を聞いた親子連れや小学生のグループなど,2時間30分の開催時間中に約100名の来場がありました。
巡回展示は「ガクセン」と名付けたテントへ,夏季企画展示で制作したおしょろ丸の歴史,教育,研究,仕事をテーマとした写真と解説をレイアウトしたパネルを2枚1組で掲示しました。当初,おしょろ丸のすぐ脇に設置することを検討しましたが,一般の方の立ち入りが制限されていることもあり,街の中心にある都道の脇での設営となりました。小笠原までの航海には日本大学と帝京科学大学の学生が60名ほど乗船しており,「ガクセン」内では彼らが展示スタッフとして活躍しました。また,平成25年の実習中に撮影された,イカが空を飛ぶ瞬間の写真が多くの来場者の目をひきました。選挙の日程と重なり,投票の行き帰りに立ち寄る方も多く見受けられました。
船内ツアーでは展示スタッフが,実際に教育研究が行われる現場を案内しましたが,おしょろ丸でどのような教育がされ生活しているかを学生目線で語る,実体験をもとにした解説には説得力がありました。
荒天によりスケジュールを1日早め,巡回展示終了1時間後には二見港を後にしたため,船内ツアーの参加者は出港準備を行う乗組員の姿を間近で見ることもでき,「北海道大学が船を持っていることを初めて知った」「毎年,おしょろ丸がこの時期に入港することは知っているが,何をしているのか展示を見て理解した」「船は,新築のにおいがした」,父島在住の本学水産学部OBは「おしょろ丸W世よりも,X世はモニター類が大きくなるなど設備が充実した」などの感想を話してくれました。
巡回展示で使用したパネルは,今後もおしょろ丸に保管され,イベント時には展示されることになっています。