本学とインドネシア及びタイのトップ大学による共同教育コンソーシアムが実施する「人口(Populations)・活動(Activities)・資源(Resources)・環境(Environments)の負の連環を正に転換させるフロンティア人材育成プログラム」(通称「PAREプログラム」)では,8月25日(火)から9月8日(火)までの15日間,北海道で第3回PAREサマースクールを開講し,本学及び国際交流協定校の学生39名が受講しました。
流域における「持続的な土地・水・食・エネルギー資源の開発と管理」をテーマにした今回のサマースクールでは,本学教員の他,トゥールーズ第3ポール・サバティエ大学(フランス)や,バンドン工科大学(インドネシア),タマサート大学(タイ)の教員等が講義を提供しました。学生は,テーマに関する様々な分野の講義を受講するとともに,石狩川及び支川流域の「治水」「利水」「環境」に関する様々な施設の視察や水質調査に参加し,国・文化・学問分野の異なる学生とのディスカッションにより,インドネシアあるいはタイの流域における現状と課題を解決するためのマスタープランをグループで作成しました。最終日に行った報告会には,コンソーシアム7大学の教員が参加し,共同で評価を行いました。なお,本サマースクールでは,最終報告会の他,初日に国別報告会(事前学習の成果発表),期間中に中間報告会を行い,プログラム受講を通じた学生の成長が比較できる構成になっています。更に,事前と事後に学生が記入する自己評価表を,評価の対象としています。
一方,本学が極東ロシアの5大学と協働する「極東・北極圏の持続可能な環境・文化・開発を牽引する専門家育成プログラム(通称「RJE3プログラム」)」では,8月に「基礎科目」を開講し,ロシア5大学の学生25名,北大生17名の計42名が受講しました。講義による「RJE3概論」とフィールドワークによる「RJE3特別実習」で構成される「基礎科目」は,日露のRJE3参加学生全員が本学に集まり,極東・北極圏の地域的課題について分野横断的に学ぶことができる唯一の機会であり,プログラムの中で最も重要な科目です。両科目を修了した日露学生37名については,日露教員が共同評価を行い,修了証を授与しました。
「RJE3概論」では,日露の教員19名が,「歴史と文化」「自然環境」「地域開発」「現在と未来(政治・経済)」の4つのテーマに関する講義を提供するとともに,小樽市では「歴史的建築物の保存・再生」,平取町では「アイヌ文化体験」の選択型エクスカーションを行いました。最終日には,日露学生の混成グループのプレゼンテーションにより,分野横断的な講義で学んだ成果を発表しました。また,これに先立ち開講した「RJE3特別演習」では,ロシア・ヤクーツク(「環境観測実習」,地球環境科学研究院 杉本敦子教授),北海道礼文島(「考古学・人類学実習による国際フィールドスクール」,アイヌ・先住民研究センター 加藤博文教授),札幌・札幌周辺(「寒冷地開発技術ワークショップ」,工学研究院 瀬戸口剛教授)において,それぞれ1週間〜10日間程度のフィールドワークを行いました。受講した学生は,各自の専門性に合ったテーマ別の実習を行うことで,座学では得られない実地での知識を高めることができました。
なお,両プログラムとも,文部科学省の「大学の世界展開力強化事業」により補助金支援を受けて実施しており,本学及び国際交流協定校の学生は,以上の科目の受講により,単位付与あるいは認定を受けることができます。