生命科学院では9月17日(木)に理学部7号館310室において,FD研修「就活後ろ倒し・留学生支援と学生指導を考える」を開催しました。今回は担当教員,理学・生命科学事務部,理学研究院国際化支援室から29名が参加しました。
一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)の「採用選考に関する指針」により,就職活動が後ろ倒しのスケジュール(企業の広報活動開始3月1日以降,選考活動開始8月1日以降)に変更になり,今年度卒業・修了予定の学生は就職活動と学業への影響を受けています。また,留学生の研究指導も年々増えており,修了後のキャリア支援も求められています。そこで今回のFD研修では,キャリアセンターと人材育成本部から講師を招き,就活後ろ倒しの現状とともに,留学生支援の強化策について,学生への研究指導・進路指導のあり方について考える機会を設けました。
キャリアセンターのキャリアアドバイザーである高橋 智氏からは,学部・修士の就職活動後ろ倒し初年度の現状について紹介がありました。経団連加盟・非加盟企業で実際の採用スケジュールが異なり就活がかえって長期化したこと,またこれに同期して相談件数も増加していることなどがあげられました。キャリアセンターでは次年度に向けた支援イベントとともに,今年度卒業・修了年次対象の最後の説明会や個人相談も実施中であることの紹介もありました。参加者からは教員推薦の扱い方,インターンシップの指導の在り方など活発な討論もありました。
人材育成本部の樋口直樹特任教授からは,MC・DC・PDに対するキャリアパス支援プログラムや大学院共通授業科目提供,留学生への支援強化について紹介がありました。プログラム受講生は実際,民間企業内定率が非常に高いこと,またイベント案内や企業とのマッチングを図る登録システム(Hi-system)への登録数が理系全体でかなり高くなったことの紹介がありました。またI-HOP留学生相談窓口も強化され,日本語eラーニングなどの支援環境も整備されていることが紹介されました。
最後に,出村 誠先端生命科学研究院長より文部科学省博士人材データベースの全国的な取り組み(参加大学は平成26年度12大学,平成27年度20大学)が紹介されました。博士後期課程〜博士学位取得〜社会人キャリア形成の長期的なデータベース構築のパイロット運用で,本学では今年度,生命科学院を含む4割の大学院が参加予定となっており,博士後期課程の指導教員への協力依頼もなされました。
学位授与ディプロマポリシーでは,必要な研究指導を受けるとともに各課程の優れた知識・能力等の修得が必要です。後者を実現するには,キャリアセンターや人材育成本部のキャリア支援や共通科目など全学的に提供される様々な人材育成プログラムの活用が有効であり,教員側もこれらの教育指導環境の改善が専門研究の指導にプラスに働くことを見直すきっかけとなりました。