名誉教授 東 克彦(あずま かつひこ) 氏(享年96歳)
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名誉教授 東 克彦氏は,平成28年8月16日にご逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。 先生は,昭和18年9月に北海道帝国大学理学部化学科をご卒業され,同月北海道帝国大学触媒研究所助手に採用されました。その後,同研究所において昭和36年4月に助教授,同47年8月に教授に昇任されました。その間37年の長きにわたり教育・研究に心血を注がれ,昭和58年4月停年により退職,同月北海道大学名誉教授の称号を授与されました。 研究者としては物理化学,特に金属触媒の表面物性に関する研究に勤しまれ,固体表面の吸着現象及び触媒作用の実験的研究に功績を残すとともに,「電界放射顕微鏡」の開発と応用に大きく貢献されました。昭和36年5月より理学研究科を担当し,物理化学の研究者,技術者の育成に努められました。また,昭和55年4月から同58年4月までは触媒研究所長を務め,評議員として大学運営に参画されました。 先生は,スポーツを通しての学生の教育指導にも力を注がれ,昭和53年10月から同55年4月まで北海道大学体育指導センター長を務められた他,サッカー部及び漕艇部(現ボート部)の学生指導に尽力され,同57年には日本サッカー協会功労賞を受賞。漕艇部では永年にわたり副部長,部長,相談役として指導に当たられ,北海道ボート協会会長も務められました。 学外においては,日本表面科学会の設立に尽力し,評議委員を努められました。また,多くの国際会議,国際シンポジウムでは組織委員及び座長として活躍し,斯界の発展にも寄与され,平成11年4月には勲三等旭日中綬章を受章されました。 これら教育活動,研究活動に尽力されるとともに,学術振興,人材育成に多大な貢献をされました先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 |