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農学研究院で平成28年度第1回FD研修会を開催

 農学研究院では平成28年度第1回FD研修会「北海道大学におけるハラスメント対応の現状と課題」を,9月12日(月)に農学研究院総合研究棟多目的室W109で開催しました。受講生は教員28名と事務職員4名の計32名でした。
 当日は,講師のハラスメント相談室長である文学研究科の櫻井義秀教授から,本学におけるハラスメント対応の現状と課題について講演がありました。ハラスメント対策は社会からの要請で行わなければいけない,という面だけでなく,安心な学習環境,職場環境の確保という観点で大学の義務であり,大学を良くするために必要である,との話がありました。また本学のハラスメント相談体制は本年度より大きく変わり,各部局に配置されたハラスメント相談員はなくなり,ハラスメント相談室の専門相談員が対応に当たることになりました。これは一見,相談窓口までの距離が遠くなった感じがしますが,申立人の権利を保護する目的でもあり,実際には相談件数は大幅に増加していることが紹介されました。
 ハラスメントになるかどうかの判断基準は,人によって受忍限度が異なるので,どうしても曖昧になります。具体的なノウハウとして,電子メールでのやり取りは公開される可能性も考えて簡潔に行う,大学院生とは研究のやり方や範囲をよく話し合っておく,お酒の席での言動には特に気をつける,などが紹介されました。また,留学生の増加や,学力の多様化など,学生の質の変化,あるいは外国人の教職員の増加など,大学の構成員の多様性が増していることに配慮すべきであるとの話がありました。質疑応答では,実際の事例も交えて,活発な討論が行われました。
 ハラスメントは悪意があって行う,という事例は極めて稀であり,うっかり行ってしまうものがほとんどです。ハラスメント問題は倫理問題ではなく,人間関係や組織に必ずついてまわる葛藤であり,問題が小さいうちに調整して解決することの大切さが確認されました。
 今回講演いただいた櫻井教授には,ここに改めて感謝申し上げます。
櫻井教授

櫻井教授

研修の様子

研修の様子

(農学院・農学研究院・農学部)

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