北大施設探訪(1350 byte)


文学研究科斜里研究室


文学研究科斜里研究室(6868 byte)


北大文学研究科 加藤 博文




海道大学文学研究科斜里研究室は,文学研究科が現在,札幌キャンパス以外に所有する二ヶ所の研究室の一つである(もう一ヶ所は平取町の二風谷研究室)。
里研究室が所在する斜里町は、雄大な自然を残す知床半島を訪れる人々の拠点として知られ1964年には知床半島部は国立公園の指定を受けた。その雄大な原始の杜と海にはヒグマ,エゾシカ,オジロワシ,オオワシ,エゾフクロウなど数多くの動物、そして植物郡の息吹が溢れている。そして今,知床はその豊かな自然の宝庫として、次世代へ受け継ぐ遺産として世界遺産候補地に選定され、来年の6月の正式な登録を待っている。
里研究室の歴史は、昭和49年に施設が立地する土地を斜里郷土研究会から寄贈され、昭和51年に文学部付属北方文化研究施設斜里分室を新築したことに始まる。北方文化研究施設時代には、ここを拠点として知床半島先端部にまで至るオホーツク海沿岸に存在する先史時代の海洋狩猟民の遺した遺跡の考古学調査やヒグマなど野生動物の生態調査が行われてきた。やがて平成7年に文学研究科の改組に伴い,斜里研究室は文学研究科斜里研究室に変更され現在に至っている。研究室は資料の水洗洗浄を行うための作業空間と資料整理を行う研究室に分れており,常勤のスタッフは置かれていない。
知床半島からオホーツク海に接する沿岸地域に残されているものは、手つかずの自然のみではない。この北の大地と海にはこの地に来歴した人々の歴史的遺産も数多く残されている。本学では平成16年度から三ヵ年の文部科学省が公募する現代的教育ニーズ取組支援プログラムとして「北方地域人間環境科学教育プログラム」が採択された。この中で、主に文学研究科の教員メンバーによる「博物館を核とした「知床学」教育プログラム」がここ知床を舞台として展開されることになっている。本研究室は,最大収容人数が10人という小規模な施設ではあるが、現在、全学教育から学部専門教育、そして大学院教育にわたる教育プログラムの拠点として展開していくことが確定し、また地域と大学を結ぶ環境科学教育の場としての活用が地元からも期待されている。今後、この施設を中核に展開される知床発の教育研究活動に今後注目していただきたい。



知床沿岸(7808 byte)




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