新着情報アーカイブ

ホーム > 新着情報アーカイブ > お知らせ > 第6回日本学術振興会賞に竹内繁樹教授(電子科学研究所)

第6回日本学術振興会賞に竹内繁樹教授(電子科学研究所)

第6回日本学術振興会賞に竹内繁樹教授(電子科学研究所)

 1月27日(水)、第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者が発表され、本学電子科学研究所教授 竹内繁樹氏が選ばれました。
 この賞は、日本学術振興会が、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させるため、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を早い段階から顕彰し、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することを目的に平成16年度に創設したものです。
 授賞式は3月1日(月)に日本学士院で行われる予定です。
本学からの受賞者
竹内繁樹氏 (電子科学研究所 教授)

専門分野  量子光学・量子情報
略 歴
   平成3年  京都大学理学部卒
   平成5年  京都大学大学院理学研究科修士課程修了
   平成5年  三菱電機中央研究所研究員
   平成11年 北海道大学電子科学研究所講師
   平成12年 博士(理学)の学位取得(京都大学)
   平成12年 北海道大学電子科学研究所助教授
   平成19年 北海道大学電子科学研究所教授(現在に至る)

授賞理由
  「光子を用いた量子情報通信処理の創成」
   (Realization of Quantum Information Processing and Communication Using Photons)
 量子力学の基本的な原理を活用することで、スーパーコンピューターによっても時間がかかりすぎて解けない問題を解く量子コンピューターが可能になると考えられています。竹内繁樹氏は、量子力学の原理を情報処理に応用する量子情報技術の一つとして、光子を用いた量子計算の方法と量子回路を初めて提案し、それを実現することに成功しました。その後、量子力学の基本概念である「量子もつれ合い」状態を、入力された2個の光子の偏光状態から抽出する「もつれ合いフィルター」の機能を持つ光子量子回路の実現にも成功しました。
 さらに、同氏は4個の光子のもつれ合い状態を利用することによって、古典理論による限界を超えた感度での位相測定に成功しました。
 同氏の業績は、光子を用いた量子情報処理を実現するとともに、量子コンピューター、量子暗号通信および光測定の技術に革新をもたらすものであり、量子情報通信処理分野における研究の更なる発展が期待されます。

(参考)
日本学術振興会賞のページ
http://www.jsps.go.jp/jsps-prize/index.html

竹内繁樹教授研究室のページ
http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/qip/

関連研究発表記者会見の様子(平成21年1月)
http://www.hokudai.ac.jp/shinchaku.php?did=356



北海道大学総務部広報課
TEL:011-706-2610