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平成22年度学位記授与式の挙行

 平成22年度学士学位記授与式が3月24日(木)に,本学第一体育館において行われました。
 学位記授与式は,来賓,役員,学部長等の列席の下,北大交響楽団による「エルムの鐘」の演奏の後開始され,水産学部を除く11学部の卒業生2,346名に対し学士学位記が授与されました。また,翌日の3月25日(金)に,函館キャンパス講堂において水産学部卒業生227名に学士学位記が水産学部長から授与されました。なお,両会場とも開式に先立ち,この度の東日本大震災により犠牲となられた方々に哀悼の意を表し,出席者全員による黙祷が行われました。
 佐伯浩総長は告辞の中で,まず東日本大震災について触れ,これまで日本では関東大震災や伊勢湾台風など多くの自然災害や第2次世界大戦後の状況から,国民一人一人の努力や,家族や地域の連携などによって,困難を克服し発展してきたが,今回も同様に克服・発展するためにも,この災害を,エネルギー,環境,食料などを含めた我々自身の将来の生き方をあらためて考える機会にしてほしいと述べられました。
 次に,本学では教育基本理念として「フロンティア精神」,「国際性の涵養」,「全人教育」,「実学の重視」を掲げており,これらの理念のもとで学んだ本学の卒業生は,高邁な大志と国際的視野を持ち,幅広い教養を通して,自ら考え行動できる能力を養っているので,その能力を活用し,「持続可能な社会の構築」,「国際化への対応」,「少子高齢化の進行による新たな社会問題への対応」という現代社会における3つの重要な課題の解決につなげてもらいたいと述べられました。
 また,鈴木章名誉教授がノーベル化学賞を受賞されたことに触れ,鈴木名誉教授の「夢や希望は人から与えられるのではなく,自分で考えるもの。興味を持った課題にとことん突き進んでほしい。」という言葉を紹介し,3つの重要な課題の解決は,卒業生自身の夢や希望を叶えるためにも大変重要であり,卒業生それぞれの考え方に基づいた,粘り強い努力によってのみ解決できることを示唆していると述べられました。
 最後に,卒業生の前途に「輝かしい未来が拓けていくことと,その未来を皆さん自身が切り拓いていくこと」を祈念するはなむけの言葉が贈られました。
 続いて,北海道大学連合同窓会会長 數土文夫氏から卒業生へ向けて,「クラーク博士が別離の際に述べた“Be Ambitious”とともに,在職中に言い続けていた“Be Gentleman”を忘れずに,今後の人生において,どんな境遇にあっても志を忘れず,逆境,困難はあって必然だと考え,おおらかな気持ちで歩いてもらいたい」との言葉が贈られ,その後出席者全員による「都ぞ弥生」の斉唱で式は終了し,最後に北大応援団からエールが送られました。


告辞を述べる佐伯総長

告辞を述べる佐伯総長