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未来創薬・医療イノベーション拠点形成事業 第9回国際シンポジウム "Structural Biology and Drug Discovery"の開催

 9月29日(木)・30日(金)の2日間,第9回となる未来創薬・医療イノベーション拠点形成事業の国際シンポジウムが,医学部同窓会館「フラテ」で開催されました。

 最近の構造生物学の発展により,疾患の原因となるタンパク質の立体構造が数多く決定されるようになり,タンパク質の立体構造に基づいた薬剤探索が創薬研究の大きな流れとなってきました。そこで今回のシンポジウムは,“Structural Biology and Drug Discovery”(構造生物学と創薬)と題したテーマで,構造生物学的立場より創薬研究を展開している国際的に著名な研究者を日本,アメリカ,ドイツ,カナダ,シンガポールから招聘して行われました。

 構造生物学の世界的権威であるイェール大学(アメリカ)のJoseph Schlessinger先生,リューベック大学(ドイツ)のRolf Hilgenfeld先生,HIV治療薬研究で世界的に著名な熊本大学の満屋裕明先生,最先端の創薬研究等につながるプロジェクトを推進する東京大学の嶋田一夫先生などがトップレベルの研究の発表を行い,質疑応答の場面でも研究者を交えた熱心な討議がなされました。

 特別講演には,2010年ノーベル化学賞を受賞された本学の鈴木 章名誉教授をお招きして,クロスカップリングによる化合物合成についてご講演いただきました。会場内には立ち見もでるほどの来場者が鈴木先生の講演を熱心に聞いていました。質疑応答では若い研究者に向けて積極的にチャレンジする姿勢を持つことなどのメッセージが鈴木先生から伝えられ,大きな拍手が起こっていました。

 期間中に行われたポスターセッションも好評で,今年は30テーマがエントリーし,それぞれ研究者が発表を行いました。若手研究者を中心に行っている同セッションには,シンポジウムの講演者も最後まで参加し,ポスターを前にしての活発な議論が行われました。

 本シンポジウムには2日間を通して延べ250名もの来場者があり,成功裏に終了することができました。来年度は医療をテーマにしたシンポジウムを開催する予定です。

佐伯 浩総長の挨拶

佐伯 浩総長の挨拶