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ノーベル化学賞受賞者Ada Yonath博士を迎えて

 3月14日(水),2009年ノーベル化学賞受賞者であるAda Yonath博士(イスラエル・Weizmann科学研究所教授)を本学に迎え,理学部5号館大講堂にて学術講演会を開催しました。Yonath博士が多忙なスケジュールのわずかな隙間に遠路本学へお越しくださったのは,かつてYonath博士と同時期にドイツ・Max-Planck研究所で研究していた先端生命科学研究院 田中 勲教授のお声掛けによるもので,同講演会は先端生命科学研究院と人材育成本部女性研究者支援室との共催で実施しました。

  Yonath博士の講演は,ノーベル化学賞受賞対象となった「リボソームの構造と機能解析」に関して,専門外の学生や高校生にも理解できるように生化学の基礎的な解説から始められ,複雑なリボソームの構造の詳細な働きを,動画を交えてわかりやすく説明されました。講演の最後には,博士がノーベル賞メダルよりも大切にされているのはお孫さんから贈られた手作りの“Grandma of the Year”賞状だと話され,「賞のために研究するのではなく研究がしたいからする,女性が家庭を持っても本当に研究がしたいのなら,家族や仲間の応援を大切に研究継続することは十分可能である,科学と研究への意欲・熱意が全てだ」と明言されました。

 講演後の質疑応答では,「一番最近,研究所のESRFシンクロトロンを訪れて実験されたのはいつですか?」という参加者からの問いに,Yonath博士は「昨年の12月よ」と即座に答えられ,ノーベル賞受賞後も研究への旺盛な熱意を持ち続け,多忙なスケジュールの合間に今でも自ら研究に関わられていることに,聴衆一同は感動・感服しました。

 Yonath博士は,講演会の前日,平成23年度北海道大学大塚賞受賞者講演会にも参加され,博士号を取得したばかりの受賞女子大学院生に向け,今後の活躍へのエールを“Be Happy ! ”という素敵なメッセージで締めくくりました。この他,本学若手女性教員研究発表会,キャリアランチミーティングにも参加され,2泊3日,新千歳空港到着から出発まで正味わずか40数時間の滞在中,多くの教員・学生に向け,心に残る多くのコメント・助言を寄せられました。 

また,Yonath博士は,大塚榮子名誉教授,女性研究者支援室長である有賀早苗教授と共に,佐伯 浩総長,本堂武夫理事・副学長,上田一郎理事・副学長,山口佳三理事・副学長を表敬訪問され,イスラエルや欧米における女性研究者支援の在り方等について意見交換されました。総長室では,2010年に同じくノーベル化学賞を受賞された本学名誉教授 鈴木 章先生のメダルレプリカをご覧になり,一人ひとりの受賞者に合わせたデザインになっていること等を歓談されました。

 

記念撮影(左から,大塚名誉教授,佐伯総長,Ada Yonath博士,有賀教授)
記念撮影(左から,大塚名誉教授,佐伯総長,Ada Yonath博士,有賀教授)