「台湾に渡った北大卒業生たち I.統治・経営と農業経済学」を開催
1月10日から、北図書館1階において、附属図書館北図書館・大学文書館共催パネル展示「台湾に渡った北大卒業生たち I.統治・経営と農業経済学」を開催しています。今回の展示は、昨年、附属図書館本館4階において開催した同展示(資料陳列展示)を、初年次学生の皆様にもご覧いただけるよう、会場を北図書館1階に移動して、パネル展示として再構成したものです。
戦前、多くの北大卒業生が台湾に渡り、日本の植民地統治に深く関わりました。例えば、札幌農学校第2期生で教授も務めた新渡戸稲造が、台湾総督府殖民局長心得として台湾製糖業振興を主導し、日本の台湾経営の基盤形成に大きな役割を果たしたことはよく知られています。
しかし、新渡戸稲造のように幹部として台湾植民地政策に直接関与した例は稀で、多くは台湾総督府の農政実務担当者、農事試験場技師、台北帝国大学等の教員として植民地統治を下支えする役回りを担いました。彼らのもたらした技術や学術は、あくまで植民地統治を第一義的な目的としていました。その一方で、技術・学術が有する普遍的価値ゆえに、台湾の人々がその成果を取り込んで、台湾の社会・産業・文化の形成に役立てたという側面も見られます。
このパネル展示では、台湾に渡った北大卒業生たちの人物と活動を紹介し、彼らの担った歴史的役割の多面性を考えます。展示は3回に分けて行ないます。各回の中心テーマは、「I.統治・経営と農業経済学」、「II.生産・技術と植物学・農学」、「III.産業化と農芸化学、そして台北帝国大学」です。
展示を通じ、北海道大学の歴史、そして台湾に対して、新たな関心を向けていただければと思います。
展 示 名: 「台湾に渡った北大卒業生たち I.統治・経営と農業経済学」
期 間: 2012年1月10日(火) 〜 2012年4月30日(月)
場 所: 北海道大学附属図書館北図書館1階(札幌市北区北17条西8丁目)
共 催: 北海道大学附属図書館・北海道大学大学文書館
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