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2040年に向けた北海道大学の国際戦略

挨拶


総長
寳金 清博

 「2040年に向けた北海道大学の国際戦略」は、私が就任後に示した『総長方針「比類なき大学」を目指して 第4期中期目標期間に向けて』のビジョンを、地球というステージで実現するための長期的戦略です。これまでの北海道大学の国際化の諸取組の成果を基盤に、本学の国内外における位置づけを冷静に見直し、全学一丸となって進むための方針としてまとめられました。本戦略の策定には、各部局等をはじめ全学的なご協力を賜りましたこと、ここに深く感謝いたします。
 大学の「国際化」は、ご承知の通り、もはや特別な場所で一部の人々が行う時代ではありません。今や、あらゆる組織や教職員・学生を含む構成員が、その立場、その場所で行うものであり、グローバル社会では、日常の中で自然と経験しているものとも言えます。しかし、各自思い思いに動いていたのでは、大学全体としての動きにはならないでしょう。この戦略は、北海道大学の国際化が何処を向いているのか、何を目指しているのかを示すことで、構成員の日々の活動が大きなうねりとなり、集合的な力になっていくことを企図したものです。
 この国際戦略は、本学の教育・研究の国際化を図るための「道しるべ」と考えています。したがって、取組むべき課題とその方向性を明確にする一方で、数値目標はあえて掲げていません。KPI等の量的な到達目標ではなく、質的な目指す姿とそのプロセスに重心を置いています。それは、不確実性の高い時代における大学には、多様な人々が、個々の持てる力を発揮しながら取組み、柔軟性をもって他者と連携・協働しながら創造的に進めてゆく、豊かな知のエコシステムを作ることが求められていると確信しているからです。
 本文では、個々のテーマで具体的に何をどう達成すればよいのかは、必ずしも明示されていません。国際戦略を携えた各構成員が、広い視野で、多様な人々とともに、時勢を読み創意工夫を重ねながら、様々なレベルのイノベーションを起こすことで、具体策が形になり目指す姿が進化しながら実現することを期待しています。この戦略には、第4期中期目標中期計画を実行し、将来的に第5期中期目標期間を展望するにあたり、それぞれの現場で活動を進める上での拠り所となれば、という想いが込められています。長い、決して平坦ではない道程ではありますが、「戦略的忍耐力」を持って、ともに進んでゆきましょう。

⚫  2040年に向けた北海道大学の国際戦略(PDF)

⚫  2040年に向けた北海道大学の国際戦略 骨子(PDF)

⚫  2040年に向けた北海道大学の国際戦略 リーフレット(PDF)

*English version is available for viewing here.

⚫  北海道大学国際戦略2040キックオフシンポジウム~世界に輝く北の光へ~

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「2040年に向けた北海道大学の国際戦略」策定にあたって


理事・副学長
横田 篤

 本国際戦略は、本学の国際化を推進してきた「近未来戦略150」の中核となる大学改革プランである「Hokkaido ユニバーサルキャンパス・イニシアチブ」(以後「HUCI」という)が築いた成果を踏まえて、2040年までの中長期的な将来に向かって国際の観点から本学が歩むべき方向性を示したものです。策定に当たっては、本学の全部局や研究所等を30ヵ所程訪問し、教育・研究の現場の声を集め、それらをできる限り活かした検討を進めてきました。一口に国際化といっても、その方向性や実態は文系・理系の各学問分野によって多様であり、個別の課題も数多く浮き彫りになりました。そのような状況にあって、本国際戦略は目指すべき共通の方向性を明らかにし、かつ個別の課題を解決することを目指して策定したものであり、地に足の着いた実効性の高い取組を基軸としてまとめることができたと確信しています。
 本国際戦略では、冒頭に2040年に向けて本学のあるべき姿として3つの将来像を設定し、これを実現するために、具体的にどのような取り組みを行う必要があるかを記述しています。それに先立ち、まず、ポストHUCIにおける本学の国際化推進の在り方を再定義し、二つの方向性を明確にしました。第一の方向性を、HUCIの成果を持続可能な形へ見直すための「量的拡大」の路線から教育・研究の「質重視」への移行としました。第二の方向性は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に世界で格段に拡がったオンラインによる教育や国際交流の取組の拡充です。
 この二つの方向性のもとで、次に示す4つの柱からなる戦略目標を立て、その実現のために具体的な取り組みを策定しました。第一の柱は、知の好循環による外国人留学生の正規課程への受け入れの促進です。これにより本学の人材育成と研究力の強化を図ることが本国際戦略の核心部分となります。第二の柱は、本学学生や研究者の派遣に関する目標です。オンライン教育を生かした魅力的な留学プログラムの整備や、様々な国際協働共修機会の拡充を推進します。次にサステイナビリティの追求を第三の柱に掲げました。本学は設置の経緯や発展の歴史、地誌的特徴から長年に渡り国際的な教育・研究を通してサステイナビリティの実現に貢献してきた強みをもっており、第4期中期目標・計画にも究極的な目標として掲げられています。最後にこれら三つの柱で示した目標を遂行するために、マネジメントに関する戦略目標を掲げました。新たな時代に向けた研究総合大学としての魅力を最大限に発揮すべく、正規課程の外国人留学生獲得の促進をはじめとする、持続可能な形での国際活動の推進を支援する環境・体制づくりに全学的に取り組みます。
 本国際戦略は、HUCIと同様に、教育・研究・社会連携を含む総合的な内容となっています。したがって今後、広く本学関係者が参照すべき指針として活用され、世界の課題解決に貢献する本学の発展に長期的に活かされることを期待します。

(2021年12月)