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「北海道大学 創基150周年記念Pre-event 特別シンポジウム~北海道大学の進化と北海道大学の取り組み~」を開催しました
北海道大学は、2年後の令和8年(2026年)に迎える創基150周年に向けて社会との連携をさらに強化することを目的に、本学が進めている最新の研究や共創の取り組みを報告するシンポジウムを開催しました。
本シンポジウムでは、これからの日本、そして世界が直面する課題の解決のために本学が注力している半導体分野、食料分野をテーマとしましたが、企業関係者の方々から高い関心を寄せられ、定員(100名)を大幅に超える148名が参加しました。
【開催概要】
日時:令和6年10月17日(木) 15時30分~18時00分
場所:学士会館 210号室(東京都千代田区神田錦町3-28)
参加者数:148名(90社)
基調講演:『半導体の現在・未来』 太田 泰彦(日本経済新聞社・論説委員)
『2030半導体の地政学』の著者であり、半導体をめぐる国際情勢を取材してきた太田泰彦氏により、半導体業界の動きを国際政治情勢と重ねながら解説が進められました。
ウクライナ・ロシアの戦争を例に、現代の戦争はドローンを使った「小さい」「軽い」「安い」「少人数」のものに変化しているが、これを実現しているのは半導体であり、国家の安全保障を左右する重要物資であることが指摘されました。
そして、産業構造については国際水平分業が進んでおり、「設計」、製造の「前工程」「後工程」に企業毎の分業化が進んでいるのと同時に、その構造が台湾・新竹のTSMCをめぐる米中の緊張関係などにつながっていく地政学的観点について解説がありました。
最後に、ラピダスの誕生により北海道から起こる変化について期待が述べられました。
活動報告:『北大の半導体拠点の狙い』 副理事・村山 明宏
村山明宏副理事・半導体拠点形成本部副本部長(情報科学研究院・特任教授)より、先端半導体と北海道の状況、本学の取り組みと今後の方針について報告しました。
最先端半導体を⽬指すラピダス社の進出を受けて、本学では産学官のハブとして国・地域・産業界の課題解決に貢献するとともに、半導体関連研究・人材育成等の推進を図るため半導体拠点形成推進本部を設立し、学内の半導体関連部局等の知見を結集していることを説明しました。
教育においては、特徴的な双峰型教育カリキュラムにより、「AI/DXの基礎がわかる半導体専⾨家」など多様な人材の育成に取り組んでいることなどを紹介しました。
これから本学が目指す半導体人材の育成像、先端半導体研究のビジョンについても語られました。
活動報告:『J-PEAKSがめざすもの』 副学長・西邑 隆徳
西邑隆徳副学長(創成研究機構・特任教授)より、本学が「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」により取り組む「フィールドサイエンスを基盤とした地球環境を再生する新たな持続的食料生産システムの構築と展開」について報告しました。
北海道大学の特色ある強みである世界最大規模の広大な研究フィールド、フィールド科学に関する層の厚い研究人材、世界の課題解決へのリーダーシップを活かし、リジェネラティブ(環境再生促進型)持続的食料清算システム研究を行うことで、世界と日本の食料問題解決に貢献することを説明しました。
交流会
活動報告の後は、参加者の皆様との交流会を開催し、本学の教育・研究・社会共創活動に対する忌憚のない意見交換が行われました。
今回、北海道を離れて東京で開催したことにより、普段お会いする機会が少ない方々とも意見交換することができ、とても有意義な時間となりました。