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概要・沿革

概要

 本園は札幌駅から徒歩で約10分という立地にありながら、広さ13.3haの園内にはハルニレの巨木が立ち、一部ではうっそうとした林も残されていて、明治以前の古き札幌の姿がしのばれます。また高山植物など北海道の自生植物を中心に約4000種類の植物が育成されており、春には可憐な花々を、秋には色鮮やかな紅葉を楽しむことができます。そのほか博物館や北方民族資料室では、北海道の開拓や先住民族の生活・文化に関する貴重な資料を見ることもできます。
 植物学の教育・研究を目的に設置された北海道大学の施設ですが、広く一般にも公開され、「緑のオアシス」として多くの市民に親しまれています。

沿革

 本園の歴史は、札幌農学校(北海道大学の前身)の教頭だったW.S.クラークが、1877(明治10)年に開拓使に対し植物学の教育には植物園が必要であると進言したことに始まります。開拓使によってつくられた博物館とともに植物園用地(現在地)が札幌農学校に移管され、のちに初代園長となる宮部金吾が計画・設計をし、1886(明治19)年に開園しました。近代的植物園として我が国で初めて造られたもので、日本で2番目に古い植物園です。その後、高山植物園(1938(昭和13)年造成)やカナディアン・ロックガーデン(2001(平成13)年造成)などが整備され現在に至ります。また、1989(平成元)年には博物館本館等が国の重要文化財に登録されました。

植物園の沿革をさらに詳しく
博物館の沿革をさらに詳しく


   W.S.クラーク       宮部金吾

地形・気候

 本園は、日本海側の石狩湾から太平洋側の苫小牧まで広がる石狩低地帯の一角にあり、石狩川の支流である豊平川の扇状地に位置しています。そのため園内は扇状地特有の緩やかな起伏に富み、大正の終わりごろまでは、アイヌ語で“メム”と呼ばれる泉が各所で湧き出る肥沃な場所でした。現在では、地下水をポンプアップして園内の川に流して水位を維持しています。
 気候は、日本海型気候区に属しているために冬季に雪が多く降ります。本園で独自に観測している気象記録によると、過去10年間の平均最高気温は34.4℃、平均最低気温は-11.8℃、平均最高積雪深は103.2cmとなっています。


植物園長からのメッセージ

 街の中心に開拓以前の森が残る場所が北海道大学植物園です。クラーク博士が植物学の重要性を説き造られた日本でも歴史のある有数の植物園です。大学付属の植物園のため、主に冷温帯に生育する野生植物の多様性や生態を理解するための植物分類学や植物生態学の研究・教育が行われています。また絶滅が危惧されているレブンアツモリソウやヒダカソウなどの希少植物の保全に関する研究も行われています。さらに園内には北方民族資料室や博物館があり、貴重な資料が展示・収蔵されているだけでなく、それらの研究も行われています。
 北海道大学植物園はこのような研究・教育施設としてだけでなく、札幌市民や札幌に訪れた方に対して一般公開されております。美しく興味深い植物園とするため、教員や専門の技能を持つ職員らスタッフが協力して植物園の維持・管理にあたっております。牧野富太郎を題材にした朝ドラをみて、植物や植物分類学に興味を持たれた方も、ぜひ植物や資料を見ていただくために、植物園に来訪していただきたいと思います。北海道大学植物園が皆様に心の糧を与えるものになることを願っております。

                              園長 藤野 介延

園長 藤野 介延270*405

- お問い合わせ -
北海道大学植物園 〒060-0003 北海道札幌市中央区北3条西8丁目
電話:011-221-0066  FAX:011-221-0664
代表メール:hubg(アットマーク)fsc.hokudai.ac.jp