細胞ダイナミクス科学研究室(芳賀研)

細胞ダイナミクス科学研究室(芳賀研)について

がん細胞の動きを止めろ!

現在、がんは日本人の死因の第一位となっています。がんは生活環境、肥満、喫煙、飲酒、ウイルス感染など様々な要因によって、細胞の遺伝子に異常が生じることで引き起こされる遺伝子の疾患です。がんを引き起こす異常な遺伝子(がん遺伝子)によって、正常な細胞はがん化しがん細胞となります。がん細胞は増殖能の上昇によって細胞の塊(腫瘍)を形成し、さらに肝臓、肺、骨などの臓器に転移することで、最終的には生命の維持機能が失われて死に至ることになります。がんで命を落とす原因の9割ほどが転移によるものです。しかし、がん細胞が運動能を獲得し、生体内を動き回る原因と仕組みはよく分かっておらず、がん細胞の運動のみを選択的に抑制する薬は未だに開発されていないのが現状です。私たちの研究室では、がん細胞が動く仕組みを解明し、転移を止める新たな治療法の開発につながる基礎研究を行っています。

原理を解き明かす基礎研究やリスクの高い萌芽的な研究には、国からの支援をなかなか得られないのが現状です。一般の皆さまからのご寄附が頼りです。ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

研究内容

がん細胞が悪性化し運動能を獲得する原因として、私たちはがんの組織が硬くなること(しこり)、臓器内の圧力が上昇すること(むくみ)など力学的な要素に着目して研究を進めています。これまでに、組織が硬くなることによる肺がん細胞や大腸がん細胞などの運動能獲得の原因となる遺伝子(integrin-β1、MMP7など)の特定を行いました。さらに、すい臓がん細胞に圧力がかかると、細胞内の亜鉛濃度が上昇し、がんの転移に関与する様々な遺伝子の働きが上昇することを明らかにしています。現在は、乳がんや子宮頸癌など女性に特有のがん種などもターゲットとして研究を進めています。

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基金の使途

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  1. がん研究推進のための試薬等の購入
  2. 当研究室所属の学生・大学院生の学会発表(国内、海外)に係る経費

ご寄附の特典

「北大フロンティア基金」の特典が適用されます。