転成ソフトマター研究室(黒川研)

転成ソフトマター研究室(黒川研)について

人工軟骨を実現したい!

高齢化により膝や股関節の機能が低下すると、日常生活において支障をきたし生活の質が著しく損なわれてしまいます。膝に痛みを感じる変形性膝関節症の罹患者は国内に2500万人と推定されておりますが、これまでの治療では、摩耗した関節軟骨に代わる材料がないという根本的な問題を抱えています。そのため人工関節軟骨などの材料の開発は、我が国が迎える超高齢化社会において急いで取り組むべき課題と言えます。私達は人工軟骨の実現を目標に、そのための要素技術の研究を行っています。

みなさまからのご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

写真_転成ソフトマター研究室(集合写真)

研究内容

関節軟骨代替材料に求められる機能は、大荷重下での強度、衝撃吸収性、低摩擦性、成形性、生体適合性など多岐にわたります。
私達は「剛」と「柔」という異なる性質を持った2種類のゲルを適切な比率で複合させることで、飛躍的に強靭化したダブルネットワークゲル(DNゲル)の創製に成功しています。さらに、ゲルの摩擦挙動をさまざまな条件で系統的に検討し、極低摩擦性を示すゲルの創製にも成功しています。DNゲルは生体膝関節にかかるような大荷重下で、摩擦係数が10の-4乗程度、すなわち100kgの荷重をわずか10gの力で動かすことができる、超低摩擦性を示します。
私達は高強度ゲルによる人工関節軟骨材料を創製することを目標とし、そのための要素技術である以下の研究を行っています。①生体にゲルを固定する方法 ②ゲルの表面摩擦特性 ③高強度ゲルを自由に成型する技術の開発 ④細胞培養によるゲルの細胞親和性の検討 ⑤動物埋植による生体適合性試験 ⑥高強度ゲルの経年劣化の検討

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基金の使途

  1. 合成試薬やガラス器具などの消耗品費
  2. 成果発表・研究打ち合わせのための旅費
  3. 研究補助員のための謝金

ご寄附の特典

「北大フロンティア基金」の特典が適用されます。