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北極圏で初のランベオサウルス亜科恐竜の発見~ハドロサウルス科が種類によって環境に応じて棲み分けていたことを示唆~(総合博物館 教授 小林快次)

2019年4月8日
 

ポイント

・米国アラスカ州からランベオサウルス亜科恐竜の頭骨の一部を発見(北極圏からの発見は世界初)。
・ハドロサウルス亜科は海岸環境を,ランベオサウルス亜科は内陸環境を好んでいた可能性を提唱。
・同じハドロサウルス科内で主な生息環境を分けることで,過度な競争を回避していた可能性を示唆。

概要

北海道大学総合博物館の小林快次教授,同大学院理学院博士後期課程の高崎竜司氏は,米国ペロー自然科学博物館,アラスカ大学らと共同で,米国アラスカ州のノーススロープ郡に露出する,ハドロサウルス亜科恐竜が多数見つかっているリスコム骨密集層(約7,100~6,800万年前)から,ランベオサウルス亜科の頭骨の一部を発見しました。

この発見は,白亜紀後期における北極圏(古緯度で北緯74.5度)にランベオサウルス亜科が生息していたことを初めて証明しました。さらに,白亜紀当時は海辺であったとされるリスコム骨密集層からはハドロサウルス亜科が多数発見されている一方で,ランベオサウルス亜科の発見は本件が唯一であることから,北極圏においてランベオサウルス亜科とハドロサウルス亜科は異なる環境選択性を持っていた可能性が示唆されました。

なお,本研究成果は,英国時間2019年3月29日(金)公開の Scientific Report 誌に掲載されました。

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白亜紀末のリスコム地域の復元画(©服部雅人)