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第8回日本学術振興会賞に青山和佳准教授(大学院メディア・コミュニケーション研究院)

 1月20日(金)、第8回日本学術振興会賞受賞者が発表され、本学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授 青山和佳氏が選ばれました。
 この賞は、日本学術振興会が、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させるため、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を早い段階から顕彰し、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することを目的に平成16年度に創設したものです。
 授賞式は2月27日(月)に日本学士院において行われる予定です。

本学からの受賞者
青山 和佳氏(大学院メディア・コミュニケーション研究院 准教授)
専門分野
東南アジア地域研究、貧困・開発援助研究
略  歴
1992年   慶應義塾大学商学部卒
1995年   慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了
1997年   アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所訪問研究者
2001年   東京大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学
2001年   東京大学大学院経済学研究科・経済学部助手
2002年   博士(経済学)の学位取得(東京大学)
2004年   和洋女子大学人文学部助教授
2007年   日本大学生物資源科学部准教授
2009年   北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 准教授(現在に至る)
受賞理由
「フィリピンにおける貧困の民族誌的研究―ダバオ市のサマ・バジャウの社会経済生活」
(An Ethnographic Study of Poverty in the Philippines: Socio-Economic Life of the Sama-Bajau in Davao City)

青山和佳氏は、フィリピンのダバオ市における少数民族に対する詳細で内在的な文化人類学的フィールドワークを基盤に、開発経済学やアマルティア・セン(インド経済学者)の貧困概念等に基づく理論的アプローチを接合し、独創的な研究成果を挙げました。従来、その実態がよく知られていなかった少数民族サマ・バジャウの都市生活について、第一次資料を収集し多くの貴重な事実を明らかにしただけでなく、少数民族のアイデンティティという要素を、明示的に福祉指標として用いるというアプローチを開発した点に独自の貴重な学問的貢献があります。
従来の諸学説を十分に咀嚼し批判的に再検討しつつ、同時に、現地の複数の言語(セブ語とサマ語)の修得に努め、現地の人々と生活を共にするというフィールドワークに従い、両者を組合せることで、従来の研究水準を突破する業績を達成しました。青山氏は、開発援助論や貧困に焦点を当てた、今後の地域研究をリードする人材として更なる活躍が期待されます。

(参考)
日本学術振興会賞のページ