本年4月1日付で本学ホームページに掲載した研究成果「女性特有の“働かない”X染色体の仕組みを解明」の発表論文が、Nature 姉妹誌「Nature Structural & Molecular Biology」(2013年5月号)の表紙を飾りました。
表紙には,掲載論文の中から表紙の候補を募り,絵的に,そして科学的に興味をひくものが選ばれます。
「Nature Structural & Molecular Biology」ウェブサイトoutside
本論文では、女性が持つ染色体XXのうち“働いていないほう”のX染色体、すなわち折りたたまれ凝縮した不活性のX染色体である「バー小体」を形成するタンパク質とその仕組みを明らかにしました。
今回解明した仕組みは,男女を問わずある種の筋ジストロフィーの発症やがんの発症に関与していることも最近報告されており,本研究がこれらの疾患の病因究明の手がかりとなり,効果的な治療法の開発につながるものと思われます。
プレスリリース「女性特有の“働かない”X 染色体の仕組みを解明」pdf
◆表紙の説明
三毛猫のまだら模様は、雌の2本あるX染色体のうち1本が不活性化していることが目に見える有名な例です(基本的に三毛猫の性別は雌)。この表紙は、“赤い首輪をつけて小さく丸まっている三毛猫”が、コンパクトに折りたたまれて働かないX染色体を、“のびをしている三毛猫”が働いているX染色体を表現しています。
また、浮世絵風に描くことで、日本の研究者の成果であることもアピールしています。
【研究内容に関するお問い合わせ先】
北海道大学大学院先端生命科学研究院 教授
小布施 力史(おぶせ ちかし)
TEL: 011-706-9015 FAX: 011-706-9083
E-mail:obuse@sci.hokudai.ac.jp
総務企画部広報課