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津波を使って氷河から流出する氷山の量を測定~グリーンランドで新しい観測手法を開発~(北極域研究センター 助教 Evgeny Podolsky,低温科学研究所 教授 杉山 慎)

2019年4月19日

ポイント

●グリーンランドのカービング氷河で,カービング(氷山分離)に伴う津波を測定。
●氷山の体積と津波の高さの関係から,氷山の流出量を推定。
●急速に後退するカービング氷河の変動メカニズムの理解に貢献。

 

概要

北海道大学北極域研究センターのEvgeny Podolskiy助教,低温科学研究所の杉山 慎教授らの研究グループは,アウストラル大学(チリ)の箕輪昌紘研究員らと共同で,グリーンランド北西部のカービング氷河でカービングによって発生する津波を測定し,高い時間分解能で氷山の流出量を測定することに成功しました。

津波を使ったカービング観測は,同グループによって開発された手法で,今回初めてグリーンランドの氷河に応用しました。観測の結果,氷山の流出量が気温上昇,氷河加速,潮位変化に連動して増加することが明らかになりました。また,氷山の流出は氷河末端で失われる氷総量の20%に相当し,残りの80%は海中での融解によって生じることが示唆されました。これらの研究成果は,これまで困難であった氷山の流出量を測定する新しい手法を提案し,カービング氷河の変動に重要な役割を果たす氷河・海洋相互作用の理解を推し進めるものです。

なお,本研究成果は,2019年4月1日(月)公開のEarth and Planetary Science Letters誌に掲載されました。

また,本研究は,GRENE北極気候変動研究事業及び北極域研究推進プロジェクト(ArCS)の助成を受け,アウストラル大学(チリ),スイス連邦工科大学(スイス),フィレンツェ大学(イタリア)との共同研究によって実施しました。

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ボードイン氷河の末端部。氷河から海洋に氷山が流出し,水中では氷が融解する。